ベトナム風生春巻き

江上種英さん(江上料理学院主幹。昭和60経)

RICE PAPER(ライスペーパー)
 東洋のプチパリとよばれるホーチミンは、サイゴン川にそって広がっている。植民地時代に整備された町並みに、聖母マリア教会や市民劇場などの19世紀に造られたフランス風の建築物が溶け込んでいる。
川に面したメー・リン広場から放射線状に拡がる通りのひとつを抜けると、並木の美しいドン・コイ通りにぶつかる。この通りの両側には、しゃれたカフェや、パテをはさんだフランスパンが食べられる屋台もある。すてきな雑貨屋のひとつにはいってみた。小さなティーセットやお箸や器などが、やさしい光りの中にディスプレイされている。となりは漆のお店。日本では考えられないカラフルな色や金銀の漆器が並んでいる。デザインの洗練されたものは、ヨーロッパ人や日本人がデザインし、ベトナムの人々の丁寧な技術で仕上げられたものが多い。
レストランではこのような器の数々を使い、コーディネートされた食卓でベトナム料理をいただく事ができる。アジアのテイストとフランス、中国の交じり合った料理は繊細で、色彩も淡く美しい。
花の形のデザートをおなかに納めて、夜の街を散歩していたら、シックなマジェスティックホテルに行き当たった。
ゴトゴトと古いエレベーターで屋上へ。ブリーズ・スカイ・バーはサイゴン川を一望することができる。夜風にのって、下の熱気とオートバイの爆音が、かすかに立ち上ってきた。
生春巻きとサイゴンビールで乾杯したら、それぞれ明日の予定を考えてみた。フットマッサージ? シルクのクロスのショッピング? リバークルーズ? ここでは、自分で創るオフタイムを過せるのだ。
HOW TO COOKING
ベトナム風生春巻き
1.えびは背ワタをとって茹で冷まし、皮をむいて半分に切る。
2.豚もも肉を塩と酒をいれた熱湯でゆで、冷まして千切りにする。
3.きゅうりの千切り、サニーレタス、ミントの葉、もやしを用意する。
4.ピーナッツは細かくくだいておく
5.ライスペーパーに霧を吹いて、濡れ布巾をかぶせてもどす。
6.フィッシュソースにレモン、にんにくを加え、ソースをつくる。
7.1~4をライスペーパーで包み、ソースをつけていただく。