そば粉のクレープ

江上種英さん(江上料理学院主幹。昭和60経)

CREPE(そば粉のクレープ)
 フランスのブルターニュ地方、カルナックには巨石群がある。黄色い花の咲き乱れる原野に、3000以上の巨石が「メンヒル」として、ごろごろところがっている。夏至の日に、日の出の太陽が、 半円形に並べられた石にちょうど当たるようになっているものもある。石は「聖なるもの」の象徴だが、紀元前4670~2000年に立てられた1.2kmにもわたる石の列は、何を意味するものなのだろう。「メンヒル」とはケルト語で「立った石」の意味だ。
巨石文化を築いた先住民族の後に、紀元前6世紀頃やってきたのが初代ケルト人だ。
しかし、現在のブルターニュ文化は460年来イギリスからやってきた2代目ケルト人によってつくられた。現在でもブルターニュは誇り高く独自の文化を保持しつづける地方だ。
カルナックから1時間ほどバスにゆられるとヴァンヌの町に着く。ヴァンヌは小さいながらも港町で、ゴシック風のカテドラルがある旧市街をぬけると、小さな港が見えてくる。街角にはクレープ屋があちこちにあり、地元の人は、特産のそば粉を使った黒いクレープ にハムやチーズなどの好きな具を巻いて食べている。人々にまじって地酒のシードルを飲みながら空想のタイムトリップを楽しんでみよう。
ちなみに、巨石文化の先住民族が何処から来て、何処へいったのかは、まったく解っていない。
HOW TO COOKING
そば粉のクレープ
1.そば粉と小麦粉は半々に混ぜ、ふるっておく。
2.1にほぐした卵を入れ、牛乳を徐々に加えてなめらかに混ぜ合わせる。
3.バターは湯煎して溶かしておく。
4.フライパンを熱して、3のバターを入れてなじませる。
5.2を薄く広がる分量流して手早く一面に広げ、焼けたら裏面も焼く。
6.卵を割ってクレープにのせ、好みの具を入れてまく。