エリンギの炊き込みごはん

江上種英さん(江上料理学院主幹。昭和60経)

ERINGII(エリンギ)
 ロンドンのヒースロー空港からタクシーに乗り、リッツを過ぎると、街は一段と華やかになる。古い建物の壁は白く洗われ、観光客を乗せた2階建てバスが走り回る。ロンドンブリッジからシティーにかけての、テムズ川の両岸は再開発され、斬新なビルが立ち並んでいる。ボードウォークに軒を連ねるレストランは、個性を競い合い、人々が歩きながらディナー談議に余念がない。
かつてイギリスの料理と言えば「保守的でまずい」というのが定説だった。しかしここ数年、料理にも劇的な変化が現れ、「ニューブリティッシュ」とよばれる斬新で美味しいメニューが町中にあふれている。これは、オーストラリアなどで「環太平洋料理」を学んだシェフたちが、祖国で次々とレストランを開業している影響が大きい。また、テレンス・コンラン卿がプロデュースするモダンなショップやレストランが続々オープンし、新しい風を吹き込んでいる。
これらの店は各国の文化を取り入れ、クロスオーバーな食卓を提案している。アジア、そして「和」も生活の一部となっているのだ。ここに取り上げた黒と赤の丼は、ピカデリーサーカスの自然食品店で見つけた。イギリス人が考えた器だがエッジの一部を切り取って箸置き代わりにするなどということは、日本人ではなかなか考えつかない。打ちっばなしでガラス張りの和食店「Satuma」で箸をあやつる客にも、東洋人はひとりも見かけなかった。
もう一つ日本人を見かけない人気和食店がハロッズの1階にある。その名は「YO-sushi」、オーナーがデザイナーであるこの店には、ロックミュージックが流れ、先端的なデザインの店内では、原色に染まったネタのスシロールがベルトでクルクルと回っている。 一度、話の「ネタ」にはどうぞ。
HOW TO COOKING
エリンギの炊き込みごはん
1.エリンギを食べやすい大きさに切る。
2.ダシにうすくち醤油、酒、塩で味をつける。
3.米とエリンギを炊飯器に入れ、2のだしを入れて炊く。
4.炊き上がったごはんを器に盛り、細切りにしたスナックえんどうをかざる。