ミニ・ディッシュピザ

江上種英さん(江上料理学院主幹。昭和60経)

TOMATO SAUCE(トマトソース)
 シカゴはミシガン湖のほとりにある町で「風の町」とも呼ばれる。特に冬は湖から吹き込む風が、湖畔にそびえたつ高層ビルにまかれ、雪をともなって吹きすさぶ。そんなシカゴの名物はピザだ。
独特のシカゴスタイルのピザには2種類ある。「ディープ・ディッシュ・ピザ」は、深さ3~4センチのパイ皿に厚めのクラスト生地を敷き、具とたっぶりのトマトソースにチーズをかけたもの。「スタッフド・ピザ」は、深めの焼き皿で薄いピザ生地を焼き、その中にたっぶりの具を入れ、さらにピザ生地で蓋をして、その上からさらにトッピングをして焼き上げる。
体の芯まで凍えそうな夜、マグニフィセント・マイルにある有名店「ジョルダーノス」でスタッフド・ピザをオーダーした。じっくり焼き上がるのを待つこと30分、巨大な一皿が運ばれてきた。サクサクとした生地とソースのハーモニーがすばらしい。ただし、そのボリュームは相当なもので、まさにアメリカを体感することができる。
すっかり体が温まったら、近くのジョン・ハンコック・センターの96階のラウンジへ行こう。地図をそのまま見ているような、すばらしい光の海が眼下に広がってくる。アル・カポネから世界有数の摩天楼までが同居しているのだ。
シカゴのオヘア空港で飛行機を乗り継いでいたある日、無性にピザが食べたくなったが1人では大きすぎる。そんな時、ターミナルの片隅で見つけた小さな「ディッシュピザ」。本物の数十分の一の大きさだが、一口頬張ると、なかなか訪れる機会のない都会、「シカゴ」の夜景がよみがえってきた。
HOW TO COOKING
ミニ・ディッシュピザ
1.パイ型(直径10cm、深さ3cm位のもの)を用意する。
2.パイ型にパイシートをはめこむ。
3.ソーセージは7mm幅に切り、トマトソースに入れ、ひと煮立ちさせる。
4.バジルとオレガノをトマトソースに加える。
5.パイ型に4を入れ、上にシュレッドチーズをかける。
6.220度のオーブンでこんがりと焼く。