関西桜友会 平成30年度 新年会開催報告

平成29年度 評議員会・総会、並びに平成30年度 新年会を下記の通り開催致しました。

1.開催日時
   平成30年1月20日(土)16時30分~20時40分

2.会場
   帝国ホテル大阪 5階 八重の間

3.平成29年度 評議員会・総会 
   活動報告、決算・監査報告と承認、推薦評議員の承認、会長選出、幹事・世話人・監査役の委嘱が行われた。

4.新春講和
遠州茶道宗家十三世家元・小堀宗実様(昭54法法)を
お招きし、「日本の五感」と題した新春講話を賜りました。

5.平成30年度 新年会
北河原関西桜友会会長、学習院院長・内藤政武様、桜友会会長・東園基政様による年頭のご挨拶の後、法学部特別客員教授・岩田公雄様のご発声による全員での乾杯にて新年会が開会。
青蓮院門跡門主・東伏見慈晃様(京滋桜友会会長)ご夫妻、学習院専務理事・耀栄一様を来賓としてお迎えし、総勢約110名 が参加する華やかな雰囲気に包まれた 大宴会となった。

 

学習院院長・内藤政武様による年頭のご挨拶

 

    森松洋氏(昭41大法政)のリードで院歌を斉唱。

 

若手会員は壇上にて院歌斉唱。会は最高潮に達した。

関西桜友会 平成29年12月度 二木会開催報告

平成29年12月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時     平成29年12月14日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ  ~世界最高の技術力!~ 「日本美術の華・浮世絵の魅力」
3.講師   菅原真弓氏 (平成2年大文哲卒) 大阪市立大学 教授
4.出席者 32名

講演要旨

ご講演いただいた菅原様は、大阪市立大学の教授を務めておられます。浮世絵の鑑賞方法、版画の特質、制作過程及び芸術性についてお話し頂きました。

浮世絵は、日本美術で初めて「売り物」として制作された、いわば商品であったこと、それだけに制作時の時代背景、特に流行に左右されるものであったことを知った。絹や紙本に着彩された肉筆画の一点物が当初主流であったが、需要に応える形で、後には、一枚の原画から大量に複製できる版画が主流となっていくに至った。

「錦絵」は浮世絵版画に含まれることも学んだ。江戸時代の半ば、十八世紀の中頃に、鈴木春信が多色摺り版画の浮世絵を始め、これが「錦絵」と呼ばれている。

浮世絵版画の主題には、①美人画、②役者絵、③名所絵(風景画)、④武者絵、⑤戯画及び世相風刺画、⑥春画などがある。
浮世絵版画は、江戸時代の人々の興味や関心、そして暮らしを生き生きと映し出した媒体であると言える。街道を描いた名所絵では旅籠などの宿泊施設や土地の名産品なども描かれた。それに加えて、時代の空気に敏感に反応する媒体ゆえに、江戸末期の黒船来航や幕末維新期の諸事件などをも描き出し、メディアとしての役割を果たしていくことにもなっていった。

(文 新道正雄)

回、数多くの浮世絵をご紹介頂いた中で、歌川広重の「東海道五十三次・庄野白雨」は、激しい夕立の中、道を急ぐ旅人の情景がリアルに伝わってきた。斜めに強く降りつける雨、険しい坂道、背景の樹木のぼかしによる遠近法等、素晴らしい技法で描かれており、江戸時代によくぞこれほどに精緻な絵を作り上げたものだと思った。

浮世絵は幕末から明治にかけて大量に海外に流出し、それらが欧州の印象派画家であるゴッホやモネに多大な影響を与えたという。
11月に実施した大塚国際美術館バスツアーで鑑賞したモネの作品で、自分の妻に着物を着せ日本趣味が溢れる「ラ・ジャポネーズ」を思い出した。また、モネはアトリエの庭を日本庭園風にして名画「睡蓮」を描いたほどに日本に惚れ込んでいたようである。

浮世絵が西洋絵画の巨匠達に与えた影響の大きさを知るにつけ、これはまさしく世界最高の技術力だと講義を聴きながら実感した。

(4月の高畑新一氏の講演で、「第一次大戦中、鈴木商店ロンドン支店内の専用室を 拠点に、本業の傍ら美術品の収集活動を行った川崎造船所社長・松方幸次郎氏が、パリの宝石細工師アンリ・ベベールが40年かけて蒐集した浮世絵約8千点を買い取り日本へ移送したとの話を思い出した。いわゆる松方コレクションである。)

(文 木口久喜)

 

講演中の菅原教授

 

質疑応答の模様

 

畑中世話人から菅原教授へ記念品の贈呈

関西桜友会 大塚国際美術館バスツアー開催報告

徳島・鳴門「大塚国際美術館」バスツアーを次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時   平成29年11月19日(日) 9時00分~19時30分
2.出席者 38名

大塚国際美術館は世界初の陶板名画美術館であり、古代壁画から世界25ケ国190余の美術館が所蔵する現代絵画まで至宝の西洋洋名画を原寸大に再現し、1,000点以上の作品を展示しています。
今回は、同美術館の創設に際し大塚グループ創始者・故大塚正士社主の命を受け申請書草案作成の段階から携わってこられたカリスマ前学芸室長・平田雅男氏(昭和46年大法政卒)のユーモア溢れる解説で名画の鑑賞を行いました。

 

Hotel Ridge Restaurant California Tableでの交流会の模様

ミケランジェロが描いたシスティーナ礼拝堂壁画の前で参加者全員で記念撮影

作品を説明中の平田氏

関西桜友会 平成29年11月度 二木会開催報告

平成29年11月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時    平成29年11月9日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ 「ハクゾウメディカル社の概況とオーストラリアでの生活」
3.講師  佐々木宏氏 (昭和45年大経済卒)ハクゾウメディカル株式会社 代表取締役会長
4.出席者 18名

講演要旨
ご講演いただいた佐々木様は、ハクゾウメディカル(株)の代表取締役会長を務めておられます。講演は、会社の概要と年間通算4カ月ほど余暇に過ごされるオーストラリアでの生活についてお話しいただきました。

ハクゾウメディカル社は大阪市に本社があり、創業者であるご尊父様の佐々木商店を引き継ぎ63年になります。社員数は272名、工場従業者を含めて約400人、昨年の売上高が119億円の会社です。現会社名の一部「ハクゾウ」は、商標でもあり、中国の「三獣渡河」という故事にある物怖じせず慎重に川を渡る、白い像から命名したものです。製品は、手術ガーゼ・脱脂綿、衛生材料、消毒感染対策をはじめ、介護ヘルパーも含めた医療従事者向けの商品で構成されています。

販売の大部分は、病院など医療機関への直販体制を取っています。営業及び物流の事業所は海外を含めて20か所、工場としては熊本県と福島県にハクゾウメディカルテクノス社があります。両工場ともに、医薬品の製造/品質管理基準(GMP)や査察協定(PIC/S)をクリアする設備や検査機器を揃えています。

また、休暇を過ごされるオーストラリアはブリスベンを中心に滞在されています。ブリスベンは、10℃~35℃の温和な気候で人口は200万人弱の都市です。治安はほぼ良く、観光資源に恵まれています。シティキャット・フェリーは、観光ばかりか重要な通勤の足になっています。観光や名所は、1830年に建てられた市庁舎、手軽にプレイできるゴルフ場、ローンパインのコアラ保護区、昔の刑務所ツアー、セグウェイツアー、及びその他に室外のボーリング、フットボール、ラグビー、クリケット、スキー、モーターボート、水泳などのスポーツも楽しめます。

(文 新道正雄)

講演中の佐々木氏

徳島桜友会の平田雅男氏(昭和46年大法政 写真中央)がお嬢様をお連れいただき
華やいだ雰囲気となりました。

荒西義昭氏(昭和33年大政経)から講師の佐々木氏(右)へ記念品の贈呈

 

関西桜友会 親睦ゴルフコンペ開催報告

親睦ゴルフコンペを次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.開催日時 平成29年10月17日(火)
2.開催場所 よみうりカントリークラブ(兵庫県西宮市)
3.参加人数 18名

 
盟友校・成蹊大学ゴルフ部OB、近隣校・立教大学ゴルフ部OBの他、和歌山地区、徳島地区の皆様にも参加いただき、名門・よみうりカントリークラブにてゴルフの腕前を競いました。

あいにく小雨の中でのスタートとなりましたが、フロントナインの中頃には雨も上がり、松林に囲まれた自然あふれる雄大なコースでのプレイを楽しみました。

優勝は、学習院大学ゴルフ部OB・塩路眞晤氏(昭和45年大法政卒)の手中に。

次回は、来春の成蹊大学同窓会コンペに参加させていただき両校間の相互交流を更に深めたいと思っております。

 

寺西良夫大会会長(昭和31年大政治卒、前列左から3人目)を囲んで参加者全員で記念撮影

 

幹事による参加者の紹介

 

優勝のスピーチを行う塩路氏

関西桜友会 平成29年10月度 二木会開催報告

平成29年10月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時     平成29年10月12日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ  「Now & New バス事業のイノベーションとマーケティング」
3.講師   鈴木一也氏 (昭和57年大法法卒) 京阪バス株式会社 代表取締役社長
4.出席者 32名

講演要旨

ご講演いただいた鈴木さんは、京阪電気鉄道㈱に入社、主に経理、流通及び労務人事部門を歩み、昨年、京阪バス㈱代表取締役社長に就任されました。講演内容の要旨は、以下の通りです。

「京阪バス㈱は、大正11年に設立。従業員は、約1,300名、バス630両(京阪バスグループで、約1,000両)を保有し、大阪府、京都府及び滋賀県で、一般旅客自動車運送事業及び土地建物賃貸事業などを行っています。前者は、バス事業で、一般“乗合”旅客自動車(路線バス及び京都定期観光バス)及び一般“貸切”旅客自動車(貸切バス)に区分されます。

バス業界の最近の動向として、最も注目されたことは、昨年の軽井沢スキーバス事故に起因した規制強化、例えば、貸切バス事業者への罰則強化や5年ごとの事業許可更新制の導入(従来は、事業許可に「更新」という考え方がなかった)が行われたことです。

近年、バス業界では、運行管理等の分野で、イノベーションが急速に進んでいます。京阪バス㈱は、現在、その最先端を走っており、国内外から、同業者が視察に来られています。その対象は、バスNAVIシステム(スマホでバス運行情報を検索)、駅や車内におけるバス運行情報発信システム、Web上での延着証明システム、ICOCAカードのポイント付与及び1dayチケット関連システム、多言語化等インバウンド対応システムなどです。これらのシステムは、日本初あるいは関西初であったため、マスコミでも、大きく取り上げられました。

また、現在、研究中の事案としては、運行管理におけるドライブレコーダー関連システムの構築があります。これは、センサー技術と組合せて、安全性の向上(ヒューマンエラーの防止や運転手の身体異常の感知等を行います)、接客マナーの向上を図ろうというものです。また、自動運転は、先月、新聞に掲載されましたが、「けいはんな学研都市」などで、メーカー、研究機関及び行政と連携して、実用化を目指しています。それ以外に、生体認証乗車券なども研究しています。

京阪バス㈱は、路線バスでは、京都駅~有馬温泉線、京都駅~奈良方面線(法隆寺など電車では、直接、行きにくい場所)、京都駅~中部国際空港セントレア線などの、関西における、人の交流を新たに生み出す、あるいは促進するような新しい路線の新設を考えています。京都定期観光バスでは、現在のスカイバス(二階建てオープントップ型バス)に加え、レストランバスや水陸両用バスといった新しいコンセプトのバス運行も計画しています。これからも、お客さまにご支持いただけるような京阪バスを目指し、“最先端を走り、進化していきたい”と思っていますので、ご愛顧賜りますようお願い致します。」

(文 新道正雄、 講師加筆)

講演中の鈴木氏
鉄道研究会OB・岡田正明様、古賀久美子様も出席されました。

懇親会の模様(1) 神戸大学法科大学院生・中山知子様(平成24年女子高等科卒)に参加いただきました。                           同席された元検察官・松田成氏、巖文隆氏から司法試験勉強方法のポイントをお聞きしました。

懇親会の模様(2) スカッシュ部OB・近藤佳代様(平成10年大文英)に出席いただきました。                    友達への声掛け運動(友達の輪)の展開で新しい出席者が増えてきており、今回は大変な盛り上がりでした。

畑中世話人から講師の鈴木氏(右)へ記念品贈呈後の記念撮影

 

関西桜友会 平成29年9月度 二木会開催報告

平成29年9月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時     平成29年9月14日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ  「台湾情勢について」
3.講師   熊谷春水氏 (昭和45年大法法卒) 
       三菱商事株式会社入社 ポルトガル、ドイツ、台湾等に駐在。
       大日本塗料㈱シンガポール・マレーシア・インドネシア・タイ現地法人社長 大日本塗料㈱執行役員を歴任

4.出席者 22名  
 

講演要旨

  ご講演頂いた熊谷氏は、三菱商事のポルトガル、ドイツの海外支店に駐在され、台湾でも6年間勤務されました。その在職中の経験から、台湾が世界一の親日国になった経緯や中国との特異な関係等について、深い造詣を巡らせ、台湾の歴史史観を説明して頂きました。 

   台湾の概要、歴史、被統治時代及び政治的進展についての要約から始まった。日清戦争により台湾の割譲を受けた日本は、1945年までの50年間の統治期間に児玉源太郎、後藤新平を始めとして、法治国家への確立・インフラ・医療・教育・製糖業振興等に大きく貢献した。戦後、台湾経済の成長・発展は、中小企業の活躍、豊かな資金力、日本的経営、華僑とのつながり、柔軟思考とハングリー精神を礎に大きく成長した。台湾経済は、2000年まで8.1%の高い成長率を遂げ現在でも3%を維持している。又、スポーツ用品及びIT・半導体などのOEM/ODM生産を黒子として、確実に遂行している。
 
   大戦後、蒋介石が率いる台湾国民政府は金門島で中国と戦った。李登輝総統は在職中に、中国との「二国論」を提唱した。2000年に民進党が初めて、政権を取った。2016年の総統選挙では民進党の蔡英文が圧勝した。
 
   中国との関係に関して、最盛期、台湾の中国への進出企業は、6万社で100万人の駐在員数に上った。又、中国の民営企業の中で輸出貢献企業のトップ10社のうち5社が台湾企業であった。一方で、中国が抱える疾患として、貧富の格差拡大汚職による腐敗自然(空気・水・土)の汚染少数民族への虐待・弾圧が挙げられる。又、経済面でも不動産バブル株式バブル設備過剰が問題となっている。

(文 新道正雄)


台湾はハリツー(日本大好き族)と言われ世界で一番の親日国であり、好きな国ランキングでも、1位.日本(56%)、2位.中国(6%)、3位.米国(5%)の順となっている。 東日本大震災への寄付金は世界トップクラスの2億5200万ドル(約280億円・現在のレート換算)に達した。  

 台湾と
韓国は、ともに大日本帝国による統治を受けていたという共通点がある。しかし、台湾には親日家が多く、韓国では反日感情が根強く存在し、日本への対応や感情は正反対と言ってもよいほど異なるのはなぜなのだろうか。 

 熊谷講師は、李登輝元総統の話を引用して、次のように回答された。

 韓国は清国の属国ではあったものの、元々文化の蓄積があり、既に国としての形が出来ていたため、日本の統治に対し自然と排斥感情が生まれたのであろう。 

 一方、台湾はジャングルの島で、風土病のはびこる「化外の地」とされ、怖くて近寄れない原始的な状態にあったので、清国もあまり関心を示さない土地であった。

 そのような状態の島に対し、日本統治により、次の施策が行われた。

1. インフラの整備(港湾、ダムの建設、鉄道の敷設)
八田與一はダム建設による灌漑設備の整備により不毛の土地を穀倉地帯に変えた。その功績は台湾の教科書でも有名である。

2.医療、衛生、都市政策の施行
当時、伝染病が野放し状態で病気に苦しんでいた台湾において、日本の統治によって公共衛生の改善が行われ、マラリアやコレラなどの伝染病の発生が抑止された。

3.経済改革、農業の振興
新渡戸稲造は殖産事業の要が製糖業にあると確信し、台湾の製糖業の振興に貢献した。

4.法治国家
日本の警察が治安維持に取り組み、「法を厳格に守る腐敗なき治安」を定着化させた。 

 加えて、学校を建て、日本人教師を派遣し、日本と同じ教科書を使うことにより識字率や教育水準を高め、道徳、マナーをも教えた。

 これらの施策がうまく機能し、「日本が台湾の発展に貢献してくれた。」との思いが、現在の親日感情に結びついているのではないだろうか。

(文 木口久喜)

 

 昭和45年卒の同期の友人も遠方より出席。結束が強い。

 

同期を代表し森川倫英氏(昭和45年大理化)から熊谷講師(写真右側)へ記念品の贈呈。

 

 

中村多加志氏(平成3大経営)のリードによる「院歌」で締め括り。

関西桜友会 阪神競馬特別観戦の会 開催報告

阪神競馬特別観戦の会を次の通り開催しましたのでご報告致します。
1.開催日時 平成29年9月9日(土)10時30分~16時30分
2.開催場所 阪神競馬場  特別来賓室「さくら」
3.参加人数 45名
 
晴天に恵まれ絶好の競馬日和のもと、今年も阪神競馬場(宝塚市)にて特別観戦の会を実施致しました。
北河原関西桜友会会長による開会の挨拶に続き、参加者の紹介、そして本観戦実現にご尽力賜りました今野雄三先輩(昭44大法法 元日本中央競馬会理事・ 東京より)のご発声による乾杯でスタート。
今回は、関西常磐会の皆さまの他、家族での参加が多く、若いお嬢さん方もレース結果に大きな歓声を上げ、大層華やいだ雰囲気の中で競馬観戦を楽しんでいただきました。
ある参加者から、「家族全員初めての競馬場でしたが、お陰様で妻も子供達も非日常的な経験ができてすごく楽しい時間が過ごせました。」との thank you email をいただきました。
競馬ファンの高い満足度に加え、家族連れの参加者にも大層楽しんでもらえたようです。
場内最高の眺望を誇る特別来賓室にてセレブな雰囲気の中で競馬観戦を楽しみながら、参加者相互の親睦を深めることができた初秋の一日でした。
 


北河原会長を囲み参加者全員で記念撮影(グループ その1) 

 
 
 全員で記念撮影(グループ その2 ) 
 

(編集人:木口久喜)

関西桜友会 平成29年6月度 二木会開催報告

平成29年6月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時     平成29年6月8日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ  「日新電機のDNA経営」
3.講師   
小畑英明氏 (昭和48年大経経卒) 日新電機株式会社 代表取締役  社長
4.出席者 29名  

講演要旨
ご講演いただいた小畑氏は、中等科から学習院に学び経済学部卒業後、1973年に住友電気工業に入社されました。組合委員長から異例にも、人事部長に抜擢され常務取締役を歴任し、その後、同社グループで1910年に創業された日新電機に2009年異動され、2011年から代表取締役社長を務めておられます。特に、院長安倍能成氏から在学中に薫陶を受けた「正直に生きなさい」を座右の銘として、日新電機の事業精神に活かされておられます。

  新電機は、住友電気工業のグループで重電8社の一角に位置して、電力機器、新エネルギー環境事業、ビーム・真空応用装置、及び工事・メンテナンスが事業内容です。連結ベースで売上は、約1,300億円(うち、40%が海外比率)、営業利益は187億円、社員数は5,000人で株価が現在1,300円の会社です。特に、電圧を作る電力用のコンデンサやガス絶縁開閉装置(GIS)などに注力していて、1970年に米国のハイボルテージと合弁会社を設立し、爾来、タイ、台湾、中国に進出しました。

 実態的な事業(高電圧及び真空応用技術)と異文化・寛容な技術ベンチャー精神を掛け合わせて、最先端機器の高機能化や電力の安定供給に貢献する電力機器事業を現在の主力事業と位置付けています。電力会社向けの電力用コンデンサは国内シェアの100%近くを占めています。今後は、発送電分離マーケットでも周波数変換の増幅コンデンサーが使用され、電気エネルギー供給、メガソーラーや原子力発電からの送電時の交流・直流フィルター連携設備、中国の『一帯一路』計画も含めた送電網への再投資、パソコン・モバイル機器に内蔵されている半導体やFPD製造用のイオン注入装置及びビーム真空応用技術等の需要が見込まれます。

(文 新道正雄)

 

日新電機の4つのDNA(=事業の精神)をご紹介いただきました。

1.  創業以来のベンチャー魂
高い志と常に挑戦し続ける情熱で未来を切り開く精神

2.  社名に込めた「日々新」の精神
四書五経の大学にある「日々新たに」を目指し、努力を怠らない不屈の精神

3.  異なった文化、技術への寛容さと咀嚼力
異なるものを受け入れ自分のものにしていく精神

4.正直な会社(社会に正直に、会社に正直に、自分に正直に)
コンプライアンスの王道を踏み外した行為から生まれる利益は1円たりとも要らない。
「正直に
は、安倍能成元院長に学んだ精神であり、浮利を追わないという住友本家の経営理念にも通じるものと思います。

これら4つの精神は、企業経営面だけではなく、個人の日常生活面においても常に心掛けたい内容でもあると感じました。

 (文 木口久喜)

講演中の小畑氏

 

 熱心に聴き入る出席者の皆さん。

 

  

畑中世話人から講師の小畑英明氏(右)へ記念品の贈呈。

 中村多加志氏(平3大経営)のリードによる「院歌」の締めで会場は大いに盛り上がった。

関西桜友会 平成29年5月度 二木会開催報告

平成29年5月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時       平成29年5月11日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ  「ジェットスター航空の事業戦略」
3.講師   後藤英俊氏 (昭和60年哲学科卒) ジェットスター航空 西日本支店長
4.出席者 27名  

講演要旨
 ジェットスター航空は、カンタス航空が100%出資し、2004年にオーストラリアで運航コストの低いレジャーマーケットLCCへの参入を中心として設立された。日本を拠点とするJetstar Japanは2012年から就航し、現在では、日本国内11都市、海外3都市、合計24路線を運航している。
航空会社には運航、カスタマーサービス、マーケティングなど様々な職種があるが、今回の講演は営業的な側面をメインとした内容であった。
1970年代よりLCCモデル経営は始まっていたが、2000年代に入り、ネットによる直販という本格的LCCビジネスモデルが浸透し始めた。航空会社の経営は他業種に比較して固定費の占める割合が大きく、コストカットに対する絶え間ない努力が必要である。ジェットスター航空もコストの見直しは継続して行っており、同一路線でのベストプライス提供を実現している。
同時に高い搭乗率を達成すべく、座席在庫に応じた柔軟な料金を設定、さらにお客様が必要なサービスを自由に選択できるように、機内食・アルコール・手荷物などを付帯サービス化している。
今後も、航空機による人の移動を、「より気軽に、よりお手軽に」を可能にすべくサービスの改善を継続していく。

(文 後藤講師、新道正雄)

 

この度の講演に先立ち、一日各社合計20フライトの激戦路線である関西・台北間を体験搭乗した。出発時間は時刻表通りで1分の遅れもなく、機内も清潔、前の席との間隔も問題なく快適なフライトであった。180人の定員に対し往復ともに満席であり、low fare carrier に対する強いニーズがあることを実感した。
講演の後半、同社の出資会社が世界一安全な航空会社と言われるカンタス航空であることから、日本と豪国との歴史の一面に言及された。

1)   ダーウィン市大空襲
1942年2月のダーウィン市への爆撃は、日本がオーストラリア本土に対して行った最初にして最大規模の攻撃であり、ポート・ダーウィンに甚大な被害を与えた。これらの攻撃に使用された弾薬量は、真珠湾攻撃の総量を凌ぐと言われている。真珠湾攻撃は万人の知るところであるが、ダーウィン市大空襲を知る人は少ないのではないか。

2)特殊潜航艇によるシドニー港攻撃
1942年5月、日本海軍の特殊潜航艇が、シドニー港に停泊中の連合国軍艦船に対して行った攻撃で、3隻ともに自爆、もしくは撃沈された。装甲の薄い小型の特殊潜航艇で港内深くまで潜入し、敵に発見されるや投降することなしに自沈する戦士の勇敢さに対し、豪国の少将は海軍葬で礼を尽くした。

(文 木口久喜)

 

ジェットスター航空の主力機種であるエアバスA320 jet liner。
受注累計約8,000機のベストセラー機で安全性が高い。
機体に「All day, every day, low fares」の文字が見える。

 

今回は、成蹊大学OBの3名様がご出席起立の男性、左から角原充様、南雲守様、綿貫道彦様)。
7月の公開講演会に向けご協力を頂きます。

 

全日空OB・森松洋氏(昭41大法政)による「乾杯の歌」(ドイツ学生歌)で会場は大いに盛り上がった。

 

藤森大先輩から講師の後藤英俊氏(右)へ記念品の贈呈。

藤森ドクターは、学習院から県立神戸医科大学(現 神戸大学医学部)に進学。
91才の現役耳鼻咽喉科医で、毎日、朝8時から夜8時まで診察。
日本の電子カルテ発展に大きな役割を果たしたIT診療所のパイオニア。
先月、東京で開催された高等科クラス会の模様も語っていただきました。

 

関西桜友会 平成29年4月度 二木会開催報告

 平成29年4月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時       平成29年4月13日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ   総合商社の源流 鈴木商店とは
3.講師   高畑新一氏 (平成5年経済学科卒 日商岩井、太陽鉱工等、鈴木商店関連企業に勤務し、
                                              現在は鈴木商店のハッカ事業継承会社・鈴木薄荷株式会社 常務取締役
                                             
その間に、神戸大学大学院・経営学研究科・現代経営学専攻MBAプログラム終了。
                                         
曾祖父・高畑誠一氏は鈴木商店ロンドン支店長を経て、日商(後の日商岩井、現・双日)の創業者)
4.出席者 29名 

[講話の要旨]

今回は、(1)神戸の洋糖商からスタートした鈴木商店が、事業多角化、重化学工業へと進出して他財閥を圧倒する「日本一の総合商社」へ登りつめて行った概略、(2)その躍進を加速させた第一次世界大戦景気への対処方法とその後の事業承継、(3)そして、あまり一般には知られていない鈴木商店と川崎造船所との関係を、川崎造船社長の松方幸次郎が高畑誠一とロンドンで共に過ごした時期に焦点を当てて、ストックボートや松方コレクションについて、お話をいただきました。 

(1)明治7年に鈴木岩次郎が「カネ辰鈴木商店」として砂糖商を創業し、約40年で巨大企業へと成長している。明治27年に岩次郎急逝後、夫人の鈴木よねは廃業せずに金子直吉を番頭として経営を続け、女性主人・番頭経営のスタイルで総合商社の源流となる企業形態を築いて行く。明治32年台湾樟脳油の販売権取得、同36年大里製糖所の設立、同38年小林製鋼所(神戸製鋼所の前身)の買収、同44年大里製粉所と躍進を続けた。第一次大戦後の大正4年からは事業多角化を加速し、造船、染料、電力、倉庫、鉄道、精油・油脂、冶金、石油、マッチ、汽船、紡績・人絹、火災保険事業を次々と買収していった。 

(2)第一次世界大戦の大正4年当時、鈴木商店のロンドン支店長に着任していたのが高畑誠一であった。彼は戦争特需の機会を得て、大英帝国と連合国を相手に鋼材、銑鉄、船舶、食料品などを貨物船ごと売り渡す「一船売り」、「12隻のまとめ売り」、「手付金の要求」などを敢行した。その貢献度は、イギリスの海軍大臣チャーチルをして、「カイゼル(ドイツ皇帝)を商人にしたような男」と言わしめた。しかし、大戦後不況の煽りを受け、更に、関東大震災と昭和恐慌が続き、鈴木商店は業績不振に陥った。株式非公開、融資を台湾銀行のみに頼るというぜい弱な財務体質であり、台湾銀行から融資を打切られ、昭和2年にあえなく事業停止となった。事業停止後、金子氏の薫陶を受けた鈴木商店社員やグループ企業から政財界に多くの人材を輩出している。例えば、帝人・大屋氏、日商・永井氏、播磨造船・北村氏、大正生命・金光氏等々。また、鈴木商店の破綻後、直営工場を有する樟脳、薄荷、油脂事業のほかに、16事業から52社に(双日をはじめ現在の社名で)事業承継されている。 

(3)川崎造船所社長の松方幸次郎は、第一次世界大戦により景気が上昇し始めた大正5年に渡英している。松方の在英中(2年8か月)、金子の意を受けた高畑は松方のために鈴木商店ロンドン支店を事務所代わりに使用できるよう便宜を図っている。そして、ストックボート(注文が確定せずに造った汎用船)で巨利を得て、追い風を受けた松方は欧州美術品の収集を始める。欧州各国では明治維新前に美術館建立が盛んであり、日本にも西洋美術館をと収集した1万点以上の美術品が松方コレクションである。第一次世界大戦後のコレクションは波乱の経緯をたどっている。ロンドンでは953点が焼失し、日本へ移送され散逸を免れた約8,200点(主に浮世絵)は「東京国立博物館」に所蔵されている。また、第2次大戦でフランスに没収された約400点は、学習院卒業生である吉田茂首相によりサンフランシスコ講和条約で交渉され、日本に返還されて上野の「国立西洋美術館」(初代の館長は学習院大学元文学部長の富永惣一氏で昨年世界遺産登録された)に所蔵されている。 

(文 新道正雄)

 


講演会の模様


藤森大先輩から講師の高畑氏(左)へ記念品の贈呈


当日は、
90歳の現役耳鼻咽喉科医で医学博士の藤森春樹氏(昭和22年高男旧卒 藤森耳鼻咽喉科院長)に、   鼻アレルギー」についての講演も拝聴させていただきました。    

[講話の要旨]

人口の20~30%はアレルギー素因をもっている。発病頻度は、気管支喘息が全人口の1~2%、鼻アレルギーは5~10%と言われている。食生活や住居環境の変化、大気汚染やストレスも原因となる。

 鼻アレルギーとは
1. 鼻炎の種類  急性鼻炎・慢性鼻炎・肥厚性鼻炎・萎縮性鼻炎・アレルギー性鼻炎・血管運動性鼻炎
2.特有な症状とタイプ  発作的に起こるくしゃみ・鼻水・鼻づまり・時には涙目・眼のかゆみ・のどのいたみ
3. 鼻アレルギー 2つのタイプ ①通年性アレルギー・・・ハウスダスト ②季節性アレルギー・・・花粉症

 代表的なアレルゲン
  ハウスダスト:60%、花粉類:30%、かび類とその他:10% 

治療法
1.抗原の除去・回避
 イ)ハウスダストの場合
   ダニの除去・室内の環境作り・生活上の注意
 ロ)花粉症の場合
   花粉の多い場所に立ち入らない・花粉を室内に入れない・シーズンには外出時に必ずマスクや眼鏡を着用する・
          外出後はうがい、洗顔を必ず行う
2.鍛錬療法
    ストレスに耐えられるように心身を鍛える冷水摩擦、乾布摩擦、薄着の励行、水泳
3.薬による対症療法
    抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤・副腎皮質ステロイド剤・鼻内噴霧用薬
4.免疫を作る減感作療法
 イ)皮下免疫療法
 ロ)舌下免疫療法
5.手術療法
      鼻づまりをとる手術療法

 (文 木口久喜)

 

 
講演中の藤森ドクター

編集後記
今回、4月1日付けで東京から転勤してこられた政府系金融機関勤務の方が、「関西桜友会のホームページで、クラブの先輩が講演をされると知り初参加した。」と話されました。
一人でも多くの方に会に参加いただけるようにとの思いで、ホームページによる広報活動に努めています。この言葉をお聞きし、編集者として大変嬉しい気持ちが致しました。

 

 

関西桜友会 平成29年3月度 二木会開催報告

平成29年3月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時        平成29年3月9日(木) 18時30分~20時30分

2.テーマ   「変わる印刷会社の役割」

3.講師    岡田正明 氏 (昭和51年法学科卒 共同印刷株式会社取締役を経て、共同印刷西日本株式会社 代表取締役社長 

4.出席者 27名

[講話の要旨]

出版印刷物の減少に伴い、データ処理による印刷事業へと産業構造変換に伴う新分野開発の状況をお話しいただきました。 

共同印刷西日本(株)は、共同印刷(株)の名古屋以西の西日本エリアの拠点として平成23年に大阪に設立され、東京での災害発生時におけるバックアップの中核オフィスとしての役割も担っています。製造拠点は共同グループでは13工場あり、共同印刷西日本(株)では京都に工場を有しています。 

印刷業界は、3万社近い企業群で構成され、5.6兆円(平成24年度)の市場規模があります。全体の9割が従業員20人以下の零細企業ですが、出荷額では6割を占めています。少子高齢化及び電子化・SNS化の影響を受けて、最近5年間で市場が20%ほど縮小しています。従来は受注産業の強みで倒産リスクは低く、零細企業も巨大企業と対等に競争できた時代でした。 

現在は、高セキュリティな工場でデータ管理及び印刷作業を次のように展開することが課題となっています。大企業は自社完結の独自性を出し、有力企業・自治体代行・医療機関との連携を通じ、紙媒体の情報分野を一括受託できるように業界ノウハウに精通しビジネスフロー情報として管理代行する。そのような、データ管理業務を協力会社とのアライアンスの下に、得意分野に特化して互いに技術力を高めていくことが要求されています。 

同社では、データ処理の印刷業務、特にアウトソーシング業務受託(BPO)及びシステムソリューションサービスに注力しています。例えば、自治体へは納税通知書・選挙投票所入場整理券・統計調査票、医療では問診票・健診結果通知、そして教育機関向けには試験問題(機密印刷)・受験票・結果通知書等のデータベース構築、コールセンター、バックオフィス、データプリント、データ処理などのサービス工程を含めて、顧客ニーズに幅広く対応しています。

(文:新道正雄)

 
出席者の皆さん(1) 


出席者の皆さん(2) 

 
上中啓五郎氏から講師・岡田正明氏(左側)へ記念品の贈呈