関西桜友会 平成29年5月度 二木会開催報告

平成29年5月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時       平成29年5月11日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ  「ジェットスター航空の事業戦略」
3.講師   後藤英俊氏 (昭和60年哲学科卒) ジェットスター航空 西日本支店長
4.出席者 27名  

講演要旨
 ジェットスター航空は、カンタス航空が100%出資し、2004年にオーストラリアで運航コストの低いレジャーマーケットLCCへの参入を中心として設立された。日本を拠点とするJetstar Japanは2012年から就航し、現在では、日本国内11都市、海外3都市、合計24路線を運航している。
航空会社には運航、カスタマーサービス、マーケティングなど様々な職種があるが、今回の講演は営業的な側面をメインとした内容であった。
1970年代よりLCCモデル経営は始まっていたが、2000年代に入り、ネットによる直販という本格的LCCビジネスモデルが浸透し始めた。航空会社の経営は他業種に比較して固定費の占める割合が大きく、コストカットに対する絶え間ない努力が必要である。ジェットスター航空もコストの見直しは継続して行っており、同一路線でのベストプライス提供を実現している。
同時に高い搭乗率を達成すべく、座席在庫に応じた柔軟な料金を設定、さらにお客様が必要なサービスを自由に選択できるように、機内食・アルコール・手荷物などを付帯サービス化している。
今後も、航空機による人の移動を、「より気軽に、よりお手軽に」を可能にすべくサービスの改善を継続していく。

(文 後藤講師、新道正雄)

 

この度の講演に先立ち、一日各社合計20フライトの激戦路線である関西・台北間を体験搭乗した。出発時間は時刻表通りで1分の遅れもなく、機内も清潔、前の席との間隔も問題なく快適なフライトであった。180人の定員に対し往復ともに満席であり、low fare carrier に対する強いニーズがあることを実感した。
講演の後半、同社の出資会社が世界一安全な航空会社と言われるカンタス航空であることから、日本と豪国との歴史の一面に言及された。

1)   ダーウィン市大空襲
1942年2月のダーウィン市への爆撃は、日本がオーストラリア本土に対して行った最初にして最大規模の攻撃であり、ポート・ダーウィンに甚大な被害を与えた。これらの攻撃に使用された弾薬量は、真珠湾攻撃の総量を凌ぐと言われている。真珠湾攻撃は万人の知るところであるが、ダーウィン市大空襲を知る人は少ないのではないか。

2)特殊潜航艇によるシドニー港攻撃
1942年5月、日本海軍の特殊潜航艇が、シドニー港に停泊中の連合国軍艦船に対して行った攻撃で、3隻ともに自爆、もしくは撃沈された。装甲の薄い小型の特殊潜航艇で港内深くまで潜入し、敵に発見されるや投降することなしに自沈する戦士の勇敢さに対し、豪国の少将は海軍葬で礼を尽くした。

(文 木口久喜)

 

ジェットスター航空の主力機種であるエアバスA320 jet liner。
受注累計約8,000機のベストセラー機で安全性が高い。
機体に「All day, every day, low fares」の文字が見える。

 

今回は、成蹊大学OBの3名様がご出席起立の男性、左から角原充様、南雲守様、綿貫道彦様)。
7月の公開講演会に向けご協力を頂きます。

 

全日空OB・森松洋氏(昭41大法政)による「乾杯の歌」(ドイツ学生歌)で会場は大いに盛り上がった。

 

藤森大先輩から講師の後藤英俊氏(右)へ記念品の贈呈。

藤森ドクターは、学習院から県立神戸医科大学(現 神戸大学医学部)に進学。
91才の現役耳鼻咽喉科医で、毎日、朝8時から夜8時まで診察。
日本の電子カルテ発展に大きな役割を果たしたIT診療所のパイオニア。
先月、東京で開催された高等科クラス会の模様も語っていただきました。

 

関西桜友会 平成29年4月度 二木会開催報告

 平成29年4月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時       平成29年4月13日(木) 18時30分~20時30分
2.テーマ   総合商社の源流 鈴木商店とは
3.講師   高畑新一氏 (平成5年経済学科卒 日商岩井、太陽鉱工等、鈴木商店関連企業に勤務し、
                                              現在は鈴木商店のハッカ事業継承会社・鈴木薄荷株式会社 常務取締役
                                             
その間に、神戸大学大学院・経営学研究科・現代経営学専攻MBAプログラム終了。
                                         
曾祖父・高畑誠一氏は鈴木商店ロンドン支店長を経て、日商(後の日商岩井、現・双日)の創業者)
4.出席者 29名 

[講話の要旨]

今回は、(1)神戸の洋糖商からスタートした鈴木商店が、事業多角化、重化学工業へと進出して他財閥を圧倒する「日本一の総合商社」へ登りつめて行った概略、(2)その躍進を加速させた第一次世界大戦景気への対処方法とその後の事業承継、(3)そして、あまり一般には知られていない鈴木商店と川崎造船所との関係を、川崎造船社長の松方幸次郎が高畑誠一とロンドンで共に過ごした時期に焦点を当てて、ストックボートや松方コレクションについて、お話をいただきました。 

(1)明治7年に鈴木岩次郎が「カネ辰鈴木商店」として砂糖商を創業し、約40年で巨大企業へと成長している。明治27年に岩次郎急逝後、夫人の鈴木よねは廃業せずに金子直吉を番頭として経営を続け、女性主人・番頭経営のスタイルで総合商社の源流となる企業形態を築いて行く。明治32年台湾樟脳油の販売権取得、同36年大里製糖所の設立、同38年小林製鋼所(神戸製鋼所の前身)の買収、同44年大里製粉所と躍進を続けた。第一次大戦後の大正4年からは事業多角化を加速し、造船、染料、電力、倉庫、鉄道、精油・油脂、冶金、石油、マッチ、汽船、紡績・人絹、火災保険事業を次々と買収していった。 

(2)第一次世界大戦の大正4年当時、鈴木商店のロンドン支店長に着任していたのが高畑誠一であった。彼は戦争特需の機会を得て、大英帝国と連合国を相手に鋼材、銑鉄、船舶、食料品などを貨物船ごと売り渡す「一船売り」、「12隻のまとめ売り」、「手付金の要求」などを敢行した。その貢献度は、イギリスの海軍大臣チャーチルをして、「カイゼル(ドイツ皇帝)を商人にしたような男」と言わしめた。しかし、大戦後不況の煽りを受け、更に、関東大震災と昭和恐慌が続き、鈴木商店は業績不振に陥った。株式非公開、融資を台湾銀行のみに頼るというぜい弱な財務体質であり、台湾銀行から融資を打切られ、昭和2年にあえなく事業停止となった。事業停止後、金子氏の薫陶を受けた鈴木商店社員やグループ企業から政財界に多くの人材を輩出している。例えば、帝人・大屋氏、日商・永井氏、播磨造船・北村氏、大正生命・金光氏等々。また、鈴木商店の破綻後、直営工場を有する樟脳、薄荷、油脂事業のほかに、16事業から52社に(双日をはじめ現在の社名で)事業承継されている。 

(3)川崎造船所社長の松方幸次郎は、第一次世界大戦により景気が上昇し始めた大正5年に渡英している。松方の在英中(2年8か月)、金子の意を受けた高畑は松方のために鈴木商店ロンドン支店を事務所代わりに使用できるよう便宜を図っている。そして、ストックボート(注文が確定せずに造った汎用船)で巨利を得て、追い風を受けた松方は欧州美術品の収集を始める。欧州各国では明治維新前に美術館建立が盛んであり、日本にも西洋美術館をと収集した1万点以上の美術品が松方コレクションである。第一次世界大戦後のコレクションは波乱の経緯をたどっている。ロンドンでは953点が焼失し、日本へ移送され散逸を免れた約8,200点(主に浮世絵)は「東京国立博物館」に所蔵されている。また、第2次大戦でフランスに没収された約400点は、学習院卒業生である吉田茂首相によりサンフランシスコ講和条約で交渉され、日本に返還されて上野の「国立西洋美術館」(初代の館長は学習院大学元文学部長の富永惣一氏で昨年世界遺産登録された)に所蔵されている。 

(文 新道正雄)

 


講演会の模様


藤森大先輩から講師の高畑氏(左)へ記念品の贈呈


当日は、
90歳の現役耳鼻咽喉科医で医学博士の藤森春樹氏(昭和22年高男旧卒 藤森耳鼻咽喉科院長)に、   鼻アレルギー」についての講演も拝聴させていただきました。    

[講話の要旨]

人口の20~30%はアレルギー素因をもっている。発病頻度は、気管支喘息が全人口の1~2%、鼻アレルギーは5~10%と言われている。食生活や住居環境の変化、大気汚染やストレスも原因となる。

 鼻アレルギーとは
1. 鼻炎の種類  急性鼻炎・慢性鼻炎・肥厚性鼻炎・萎縮性鼻炎・アレルギー性鼻炎・血管運動性鼻炎
2.特有な症状とタイプ  発作的に起こるくしゃみ・鼻水・鼻づまり・時には涙目・眼のかゆみ・のどのいたみ
3. 鼻アレルギー 2つのタイプ ①通年性アレルギー・・・ハウスダスト ②季節性アレルギー・・・花粉症

 代表的なアレルゲン
  ハウスダスト:60%、花粉類:30%、かび類とその他:10% 

治療法
1.抗原の除去・回避
 イ)ハウスダストの場合
   ダニの除去・室内の環境作り・生活上の注意
 ロ)花粉症の場合
   花粉の多い場所に立ち入らない・花粉を室内に入れない・シーズンには外出時に必ずマスクや眼鏡を着用する・
          外出後はうがい、洗顔を必ず行う
2.鍛錬療法
    ストレスに耐えられるように心身を鍛える冷水摩擦、乾布摩擦、薄着の励行、水泳
3.薬による対症療法
    抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤・副腎皮質ステロイド剤・鼻内噴霧用薬
4.免疫を作る減感作療法
 イ)皮下免疫療法
 ロ)舌下免疫療法
5.手術療法
      鼻づまりをとる手術療法

 (文 木口久喜)

 

 
講演中の藤森ドクター

編集後記
今回、4月1日付けで東京から転勤してこられた政府系金融機関勤務の方が、「関西桜友会のホームページで、クラブの先輩が講演をされると知り初参加した。」と話されました。
一人でも多くの方に会に参加いただけるようにとの思いで、ホームページによる広報活動に努めています。この言葉をお聞きし、編集者として大変嬉しい気持ちが致しました。

 

 

関西桜友会 平成29年3月度 二木会開催報告

平成29年3月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時        平成29年3月9日(木) 18時30分~20時30分

2.テーマ   「変わる印刷会社の役割」

3.講師    岡田正明 氏 (昭和51年法学科卒 共同印刷株式会社取締役を経て、共同印刷西日本株式会社 代表取締役社長 

4.出席者 27名

[講話の要旨]

出版印刷物の減少に伴い、データ処理による印刷事業へと産業構造変換に伴う新分野開発の状況をお話しいただきました。 

共同印刷西日本(株)は、共同印刷(株)の名古屋以西の西日本エリアの拠点として平成23年に大阪に設立され、東京での災害発生時におけるバックアップの中核オフィスとしての役割も担っています。製造拠点は共同グループでは13工場あり、共同印刷西日本(株)では京都に工場を有しています。 

印刷業界は、3万社近い企業群で構成され、5.6兆円(平成24年度)の市場規模があります。全体の9割が従業員20人以下の零細企業ですが、出荷額では6割を占めています。少子高齢化及び電子化・SNS化の影響を受けて、最近5年間で市場が20%ほど縮小しています。従来は受注産業の強みで倒産リスクは低く、零細企業も巨大企業と対等に競争できた時代でした。 

現在は、高セキュリティな工場でデータ管理及び印刷作業を次のように展開することが課題となっています。大企業は自社完結の独自性を出し、有力企業・自治体代行・医療機関との連携を通じ、紙媒体の情報分野を一括受託できるように業界ノウハウに精通しビジネスフロー情報として管理代行する。そのような、データ管理業務を協力会社とのアライアンスの下に、得意分野に特化して互いに技術力を高めていくことが要求されています。 

同社では、データ処理の印刷業務、特にアウトソーシング業務受託(BPO)及びシステムソリューションサービスに注力しています。例えば、自治体へは納税通知書・選挙投票所入場整理券・統計調査票、医療では問診票・健診結果通知、そして教育機関向けには試験問題(機密印刷)・受験票・結果通知書等のデータベース構築、コールセンター、バックオフィス、データプリント、データ処理などのサービス工程を含めて、顧客ニーズに幅広く対応しています。

(文:新道正雄)

 
出席者の皆さん(1) 


出席者の皆さん(2) 

 
上中啓五郎氏から講師・岡田正明氏(左側)へ記念品の贈呈

関西桜友会 平成29年度 新年会開催報告

平成28年度 評議員会・総会、並びに平成29年度 新年会を下記の通り開催致しました。 

1.開催日時
平成29年1月14日(土)16時30分~20時40分 

2.会場
帝国ホテル大阪  5階  八重の間

3.平成28年度 評議員会・総会 (16:30~)
活動報告、決算・監査報告の後、役員候補者推薦委員の承認、新任副世話人の紹介が行われました。

4.新春講和(17:45~)
青蓮院門跡門主・東伏見慈晃様(昭36高・京滋桜友会会長)をお招きし、新春講話を賜りました。

  ご講話中の東伏見慈晃様

 仏教の目指すところをお話し頂きました。
人は苦しみの中にいる。どうしたら安らかな心になれるか。そのためには、
1)「自分が自分が」の我を捨てる。
  「あなたが、あなたが」の気持ちが大事。 相手が何を求めているのか、とことん考えるところに救いがある。
2)慈悲の心
  慈:自分の一番大切な物を人に与える。与えることにより、ご利益がある。
  悲:人の悲しみ、苦しみを自分のことのようにとらえる。
3)諸行無常
  一切のものは刻々変化している。人の置かれた環境も常に変化する。
  過去にこだわらず、今を いかに一生懸命に生きるかを考える。

5.平成29年度 新年会(18:30~20:40)
内藤学習院院長、東園桜友会会長、岩浅学習院常務理事、東伏見様ご夫妻、伊勢神宮大宮司・鷹司様ご夫妻を来賓としてお迎えし、総勢約90名 が参加する華やかな 大宴会となりました。

 北河原会長(昭37高)より年頭のご挨拶。
「本年7月8日(土)、帝国ホテル大阪にて学習院公開講演会開催を予定。詳細が決まり次第ご案内しますのでご協力を。」

 学習院院長・内藤政武様(昭35政経)より年頭のご挨拶
「勢いのある学習院を目指す。昨年は、受験者数が対前年152%と大幅に増加。全国600私学で伸び率トップ。中でも新設の国際社会科学部は約12倍の競争率。補欠に順番が回ってこない。合格者のレベルが高くなってきている。今年の出願状況も順調に推移。地方受験可能な体制の検討をも進め、受験者・入学者の地域的拡大を目指したい。

 

桜友会会長・東園基政様(昭36物理)より年頭のご挨拶。
「関東圏の大学から全国規模の大学を目指す。就職も好調。益々勢いをつけたい。」

伊勢神宮大宮司・鷹司尚武様(昭39高)のご発声により全員で乾杯。
鷹司様は、昨年の伊勢志摩サミットの際、伊勢神宮を訪れたオバマ米国大統領(当時)をはじめ各国首脳を接遇されました。

一昨年、母校の法学部特別客員教授に就任されたジャーナリストの岩田公雄様(昭49法)がテレビ出演後に駆け付けて下さいました。

楽しい抽選会で盛り上がる会場内。
また、今年度前期の二木会講師の皆様を壇上でご紹介させて頂きました。

         

 桶谷康二様のリードにより全員で院歌を斉唱。

若手会員は壇上へ。会は最高潮に。

特筆すべきは、伊勢神宮大宮司、青蓮院門跡門主、東大寺長老という日本の神道・仏教界の最高位に就かれている皆様が一堂に会するという、学習院でしか実現できない誠に意義深い新年会となりました。
帝国ホテル社長・定保英弥様(昭59経)を始め、社員の皆様のおもてなしの心(Imperial hospitality) に対し厚く御礼申し上げます。 
ある会員から、「学習院で学ばせて頂けたことに改めて感謝致しました。来年も是非参加させて頂きたいと思いました。」とのメールを頂きました。
(編集:木口久喜、写真:早川陽介) 

関西桜友会 平成28年12月度 二木会開催報告

平成28年12月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時        平成28年12月8日(木) 18時30分~20時40分

2.テーマ  「車社会の文化ー日本と外国」

3.講師    阿波田 時彦 氏(東京より)
(昭和38年経済卒 早稲田大学大学院経済研究科修士課程修了、学習院大学経済学部助手、出版社を経て、現在、フリーのライター ペンネーム:宇田川 一彦 氏)

4.出席者 21

講話の要旨 

<ご講演頂きました阿波田氏は、昨年12月の「世界の美術館めぐり」に引き続き2回目となります。幅広い分野で博識なフリーライターで、今回は日本及び外国の「車文化」についてお話し頂きました。> 

  まずは、【車は動く文化財です】。だから、「いい車に永く乗って、車社会を楽しむ」ことが、「車文化」を育てることになると思います。「文化財となりうるいい車」というのは、24人(車というものは、5人以上乗るものではありません)。

  いい車の条件は、1)クーペ型またはセダン型・4ドアのクーペもあり、(4人乗りであれば可)、2)(見た目の)デザインよし、3)乗ってドライビングセフティー充実、高速持続運転(道路が許せば、時速200㎞~)で500マイル(約800㎞)を1日で車旅しても耐える車、4)長年(飽きないデザイン・エンジン機関の長持ち)乗れることなどが条件です。燃費は関係ありません。今の車(特にいい車の外国産と日本車の極一部)は、そこそこすべて燃費がいいですから・・・。燃費リッターあたり数キロいいからと、HV(ハイブリット)やPHV(プラグインハイブリッドは日本では100V壁で普及せず)は、あまり「いい車」の代名詞とはならないと思います。積んだ重いバッテリーがダメになり、道路税や重量税が高くなり・・。日本車のほとんどの車は、エコカー(HV含む)、ワンボックス、ミニカー(軽自動車)だけの売れる車だけを生産する車世界になっています。

  そこで、世界の主な自動車メーカー・グループは、独でVWDaimlerBMW社の3グループ、仏ルノー社グループ、米伊のFCA(ファイアット・クライスラー自動車)グループ、日本のトヨタ社グループ、韓国のHyundai-G、アメリカ・GM社グループ、インドのTata グループ(Land Rover社・Jaguar社を傘下)、中国のGeely吉利社グループ(Volvo社を傘下)、マレーシアのPROTON社グループ(Lotus社を傘下)、あと単独社として日本のホンダ社、光岡自動車(エンジンは、ルノー・日産)、マツダ社、英国のAston Martin Lagonda社などがあります。中でも注目は独の3グループ、FCAと英国のメーカーです。

  「いい車」を永く乗る(車文化を発展)には、その「環境」整備の問題もあります。 

ハードの面でいえば、まず『道路』です。日本の高速道路の異常な高額なこと。これは欧米諸国のようにfreewayにすべきです。(ドイツのアウトバーンは乗用車タダ。仏の高速道路も安いです。キロ当たりの料金で言えば約6分の1の感じ。米はFREE 、(ただ一部の高速では料金がかかりますが安い)です。中国・韓国も安いです。どこの国も移動手段としては、車が一番安いが、日本は一番高いです。

  ついでに、諸外国の一般・高速道路とも、照明がありません日本と比べると暗く感じます。韓国や中国の高速道は、いざとなれば滑走路に変身し、照明代がかかりません。翻って、日本の高速道の照明器具をすべてLEDにするには莫大な費用が・・。日本の高速道は災害緊急用でも不都合を生じます。 

  日本の一般道では、まず多い、高さもまちまちな標識を整理することが急務です。来るべき(小生は来ない方に与しますが)完全自動運転車(誰が乗りたいと思うのか疑問)の時代にも、この標識の高さ大きさの統一は、必須です。じゃないと車載のカメラなどセンサーが認知できませんから。もう仏独の国では高速道では速度標識等の統一を取っています。 

  ソフト面で「いい車」保有の最大のネックは、車維持管理費用の掛かりすぎがあります。自動車税、高い。強制保険、任意保険、ガソリンを入れると揮発油税、地方揮発油税(消費税付き・二重課税)など、車にかかる税金は8税、消費税と地方消費税で10税、間接的に石油石炭税、関税、各種贈与税、固定資産税と14税あります。 

  最後に、いい車に長く乗るために、ドイツ、現在はイギリス、スイスも取り入れているHistoric NumberHナンバー)制(製造から30年以上経った車の道路税を免除する制度)を日本も取り入れるべきです。ドイツなどは、シーズンナンバーで、保険料・道路税等も安くするシステムです。というと、日本にも、いや東京都にはHナンバー制があったのです。すなわち1945年以前の車の取得税と自動車税を減免する、というのですが・・???。

(文:阿波田時彦氏)

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東京から金次哲生氏、名古屋から小島太氏もご出席。

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上中啓五郎氏から講師・阿波田時彦氏(右側)へ記念品の贈呈

関西桜友会 平成28年11月度 二木会開催報告

平成28年11月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時        平成28年11月10日(木) 18時30分~20時40分

2.テーマ  「日本経済の行方」

3.講師    跡田直澄氏 大阪大学博士(経済学)小泉内閣時、竹中平蔵氏と共に政権の経済ブレーンを務める
(昭和51年経済卒 慶応義塾大学教授、大阪大学教授を経て、現在、嘉悦大学ビジネス創造学部特任教授)

.出席者 24名

講演の要旨 

ご講演頂いた跡田教授は、3年前に引き続き3回目となります。今回は日本経済の行方を考慮すべき点として、先ず海外要因を見ます。高い成長率を達成してきた中国も2010年から79%に落ち込んでいるが、公表値の半分が実態ではないか?アメリカも栄光の過去から1970年以降は4%以下の停滞を続けてきた。まもなくFRBが金利を引き上げれば、金利差により日本は円安に進む。次期大統領となったトランプ氏も金利引き上げをサポートしている。また、予想外の結果になったイギリスのEU離脱は、今後交渉を重ねていくので明確な離脱にはならない。その他、インドの人口増は潜在的な成長を促すが、ロシアは原油と天然ガスの資源外交がその成長のカギとなる。

そこで、日本の実質経済をみればアメリカと同様、1980年の4%から90年以降は1%からマイナスの間をさまよっている。高度成長は20年しか続かない。製造業が海外進出し、賃金の安い国などで生産するため経済成長は低下する。例えば、アメリカの自動車産業は海外の工場で、日本のトヨタでも半分は海外生産である。消費をもたらす賃金には投資がキーとなる。円安の為替なら投資が増え、雇用を増加させる。政策的には、経済理論の「フィリップス曲線」が示すように日銀は物価を2%よりも上げることで雇用を増やせる。失業率を3%以下にするなら物価を0%より高く誘導すべき。また、アメリカで起きている格差社会は移民がホワイトカラーの低所得化を招いている。トランプ氏は、国内生産、保護貿易へ戻り、アメリカ人雇用と国内経済を向上させる政策を取るだろう。

本論である今後の日本経済を検証する。

(1)日銀の景気異次元政策・・・国債を発行して貨幣を市場にばらまく。マイナス金利による日銀への追加的預金の削減。金融業界への補助金縮減をねらう。

(2)雇用対策・・・往年の終身雇用制度が崩壊している。雇用増大のためには、物価が上がり通貨量が増え円安が起こることが好ましい。

(3)財政投資・・・公共投資は物流をも活性化するので政府が6兆円投資をすれば地方も加わるので日本全体で20兆円の投資増となる。子育て世代や高齢者への給付金も適切である。ただ、財政の健全化からすると、赤字増大が財政危機を来すものだが、そのような事象には陥らない。日本の国債は安全で日本人が保有しているので1,000兆円の赤字でも、国債を連結対象にすると純資産として実質450兆円くらいの規模となる。

(4)成長戦略・・・規制緩和を進めるため、農協の改革とインバウンドの民泊実施も必要になる。また、GDP15兆円の付加価値み出すためには、特に団塊の世代における健康、レジャー産業等での消費支出を促進するため鉄道、飛行機の運賃や通信、電波の料金の大幅引き下げが望まれる。

(5)東京五輪・・・大胆に行政投資を2530%増やせば1兆円の経済効果は可能。

(6)格差是正・・・本来世代で比較すべきもの。年齢別では団塊世代の不平等化が進展しているが、以前の世代と変わらない今後は、制度維持のため物価が上がらなくても年金の2割カット、それを補うためにも高齢の生活保護世帯の働く場所を確保することが肝要となる。

(7)21世紀の目標・・・2%の経済成長を目指す。人口減を外国人労働者で賄う。移民ではなく、510年の滞在型で労働力を補てんする。TPPは、トランプ氏の保護貿易主義に拘わらず、日本としては輸出効果を重視して締結すべき。 

(新道正雄 記)

 

今回の講演会は、トランプショックの翌日に当たり、実に時宜にかなったテーマでありました。

我が国の平成26年度末の資産・負債差額は520兆円の赤字であるが、地方公共団体(東京都は財源豊か)、日銀の分も加えるとほぼゼロとなる。財務省が叫ぶ財政の危機的状況とは、借金が多いだけであり、資産・負債バランスでみるとそれほどひどい状況ではないとのお話でした。

我が国の鉄道運賃は、北海道の一番採算の合わない路線の運賃を基礎にして算定されているため、新幹線をはじめ利用者の多い都市部を営業基盤とする鉄道会社はぼろ儲けをしている。

その運賃レベルを横にらみしながら設定されている航空運賃も諸外国と比べると割高になっている。

格安航空会社(LCC)の利用により訪日観光客が急増しインバウンド需要を拡大させたように、国内の鉄道・航空運賃が大幅に値下げされれば人の移動も更に活発になり消費支出増加にも結び付き経済活性化の大きな牽引力になるのではないかと思う。岩盤のように強固な諸規制にドリルの鋭い刃で穴を開けられるか? 

(木口久喜 記)

 


熱心に聴き入る受講者の皆さん。


 湯河大先輩から跡田教授へ記念品を贈呈
(湯河様からは10月末に薨去されました三笠宮崇仁親王殿下との思い出を
語って頂きました。)

関西桜友会 平成28年10月度 二木会開催報告

平成28年10月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時        平成28年10月13日(木) 18時30分~20時40分

2.テーマ  「ロータリーってなに?」

3.講師    栗正久美氏 (平成5年独文科卒  国際ロータリー第2660地区 ガバナー事務所 事務局長)

4.出席者 27名

 

講演の要旨  

ご講演いただいた栗正さんは、「国際ロータリー(”RI”2660地区」の事務局長を務めておられます。大阪北部地域の2660地区ガバナー事務所でお仕事をされて11年目になります。
関西桜友会の会長である北河原公敬様(昭37高)は、2014年度から2年間、京都・奈良・滋賀・福井地域(2650地区)のガバナーを務められました。また、富永様(昭45経済)現在2660地区のガバナー補佐として当ロータリークラブの要職につかれています。
国際ロータリーは1905年にアメリカのシカゴを拠点として設立されました。現在
は世界200以上の国と地域に120万人の会員がいます。
奉仕精神・活動に徹し、職業人の倫理水準を高め、世界の会員を通じて国際間の親善と平和を推進することを目的としています。
日本では、
1920年(大正10年)に三井信託株式会社を創立した米山梅吉氏を初代会長として東京ロータリークラブが設立されました。現在、34地区に分かれ、クラブ数 2,274、会員数 88,862人(20167月末現在)で構成されています。
奉仕活動の一例として、
被災地支援(最近では、熊本県益城町など)、公開シンポジウム、奨学金支出(海外からの留学生への奨学金)、ポリオの撲滅支援(ビルゲイツ氏もビル&メリンダ財団を通じて多額の寄付)、パキスタンでの母子の健康ケア体制支援等を紹介されました。
会員には四つのテスト(言行)による行動基準が求められます。①真実かどうか、②みんなに公平か、③好意と友情を深めるか、④みんなのためになるか。

(記 新道正雄)


講演に聴き入る参加者の皆さん

 
北河原会長から講師の栗正久美氏に記念品を贈呈

関西桜友会 阪神競馬特別観戦の会開催報告

阪神競馬特別観戦の会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.開催日時 平成28年9月10日(土)10時30分~16時30分

2.開催場所 阪神競馬場  特別来賓室「桜」にて

3.参加人数 43名

 

台風一過、初秋の晴天に恵まれ絶好の競馬日和のもと、阪神競馬場(宝塚市)にて2年ぶりに(昨年は京都競馬場にて開催)特別観戦の会を実施致しました。

今回は、関西常磐会の皆さまの他、女性の参加者が多く華やいだ雰囲気の中で競馬観戦を楽しんで頂きました。

また、レースの合間に、幹事から出席者全員の紹介を行い、各自のワンフレーズスピーチにより、競馬観戦に加えて、ご家族を含め会員相互の親睦を深められる集いとなりました。

本観戦実現にご尽力賜りました今野雄三先輩(昭44大法法 元日本中央競馬会理事)も東京から駆け付けられ、各テーブルを巡回しながら競馬ストーリーを語って頂きました。

場内最高の眺望と広さの特別来賓室(室名も院の印に符合)にてセレブな競馬観戦・会員間交流が出来たことで、参加者からは、「次回は同期の友人も誘って参加したい。」との声が届いております。

Beginner’s luck かもしれませんが、今回の馬券購入額と払戻額を比較すると、宝くじを購入するよりはるかに的中率が高いように感じました。

 

会場の風景

今野先輩と関西常磐会の皆さま

湯河大先輩を囲んで

(編集人:木口久喜)

 

関西桜友会 平成28年7月度 二木会開催報告

平成28年7月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時        平成28年7月14日(木) 18時30分~20時40分

2.テーマ  「地域住民の健康度向上と市町村の医療費抑制を目指して」
(副題 : 医療費と介護費を少なくする健康法)

3.講師    村上路一氏 (昭和41年物理学科卒
関西学院大学 経営戦略研究科講師、元住友電気工業・経営企画部長)

4.出席者 21名

 

 講話の要旨

 地域で血管年齢、BMIなどを計測する機器を用いて、市町村の医療費・介護費などを抑制するため健康キャラバンを実施する地方創生事業の内容を解説頂きました。

 主に、コンピュター測定機器を駆使して、厚労省関係の健康増進・医療課及び保健センター、医師会・薬剤師会、文科省関係のスポーツクラブ及び教育委員会、農水省系のJAなどと協業して健康リテラシーを公民館や自治会館などで展開している。

 特に、特定健康診査(通称:メタボ健診)、予防・検診・健康台帳を重視する農村医療、特定保健指導、がん検診、糖尿病・認知症検査、成人病の重症化と予備世代の予防、生活習慣病の未病寿命伸長、その他の健康指導(痩せ、筋肉量、運動習慣、食生活)などの拡大と向上を促進させる解決策を提供する事業を推進。

 健康キャラバンは、地方自治体の健康増進課や保険センターの要請を受け、例えば医師会や薬剤師会と一緒に、地域の保健センター、生協、包括支援センター、商業施設、総合スポーツクラブにおいて、体組成計・貧血計・血管年齢計などを測定し、その結果を協力または派遣する保健士や栄養士により個別に食生活・運動習慣を指導してもらう仕組みの事業体です。

 とりわけ、炭水化物(糖質+食物繊維)、アルブミンを含むタンパク質の摂取やインターバル速歩、大股・早歩きなど有効な健康アドバイスを頂きました。増大化する医療費や介護費を健康キャラバンで抑制し、その財源でさらなる健診受診率アップを図ることにより効果的な抑制率を実現できる投資です。また、このシステムを実践すれば産業、自治体、コミュニティーの「人づくり」、「仕事づくり」にも貢献できる地域エコシステムを創生するものです。

(新道 記)

 

 我が国の国民医療費は年間40兆円(人口一人当たりで30万円強)を超え、毎年3%の率で増加し、また、国民介護費は10兆円を超え、毎年7%の率で増加している。痩せの人で要介護度が高くなる傾向にあり、介護費抑制のためには痩せ対策が必要となる。 

 講師の調査によれば、奈良県内の大学生の筋肉が落ちており、その要因は、スマホにお金がかかるために昼食をとらない学生が多いとの事実には驚いた。

 また、痩せた女性が増加し、その結果、赤ちゃんの低体重児が増加傾向にあり、母親の健康状態が次世代にまで影響するとのことであった。(先進国の中で日本が最も低体重児の生まれる確率が高く、成人病胎児発症説に繋がる。)

痩せの人は筋肉がないため要介護度が高く、介護費用も上昇傾向にある。
・痩せは筋肉量が少ないため体温が低く免疫力が少ないため平均寿命が短い。
・痩せの人は筋肉がないため転倒しやすく、骨密度が低いため骨折し、寝たきりになる確率が高い。

 従って、年をとっても運動により筋肉をつけることが大事であるが、その方法として間違った健康習慣を続けている人が多いので、健康アドバイスが必要となる。

(勘違い・間違い・誤解の例)
・毎日1万歩以上歩く、あるいは犬と1時間以上散歩しているから大丈夫。
・内蔵脂肪が多いため油物を避けているが、牛乳やヨーグルトは多量に摂る。
・痩せているのに、健康に悪いと野菜を主体にして肉や蛋白質を取らない。

普通速度の散歩1時間や犬との散歩は、最高・最低血圧、悪玉コレステロール、体重・体脂肪を下げる効果はあるが、持久力、脚筋力アップの効果は少ない。

持久力や脚筋力を向上させるには「インターバル速歩」を行うと効果がある。

(第1段階)
普通歩き3分、次に大股早歩きを3分、これを5回以上繰り返し30分~1時間歩く。

(第2段階)
大股で早歩きを3分してもハアハアしなくなったら普通歩きの時間を減らし大股早歩きの時間を伸ばす。

(第3段階)
大股早歩きの時間を20~30分間続ける。

 大股(太ももに筋肉がつく)、早歩き(心肺機能強化)を20~30分間続けると3~4千歩に相当し、その他、日常活動での歩きを加算すると1日1万歩程度になる。

運動によりグリコーゲンを消費し痛んだ筋肉組織を補強・増強するため、30分以内に牛乳を飲むこと。

(内蔵脂肪が適正以下の方)
ウォーキングの後、30分以内に牛乳を飲み蛋白質を補給する。

(内蔵脂肪が境界以上の12までの方))
ウォーキングの後、30分以内に低脂肪牛乳か豆乳を飲む。

(内蔵脂肪が13以上か肥満の方)
牛乳や豆乳ではなく水を飲む。
 

 また、内臓脂肪を減らすにはゴルフのスイングのような回転運動を連続して行うとか、毎日100~200回の足上げを行うと、足に筋肉がつきひざの痛みが和らぐとのアドバイスを頂いた。

先ずは、出来る内容から始めてみられては如何でしょうか。

  (木口 記)

 


熱心に聴き入る会員の皆さん


藤森大先輩が「90才で現役ドクターの健康法」をご紹介。
1.規則正しい生活が大事。(毎朝決まった時間に起き、8時から診察開始。)
2.三度の食事をきちっととり、美味しいと思う。
3.美しいものを見たら、美しいと感動する。
普段の生活を正せば医療費に対する税負担も削減できる、とのお話でした。


北河原会長から村上氏(写真右側)へ記念品の贈呈
お二人は高等科のクラスメイト

 

関西桜友会 平成28年5月度 ニ木会開催報告

平成28年5月度の二木会を次の通り開催致しましたのでご報告させて頂きます。

1.日時        平成28年5月12日(木) 18時30分~20時40分

2.テーマ  「ギョウカイに入ってみたら2・・・テレビ局奮闘編」

3.講師   石塚浩人氏 (昭和59年経済 長崎国際テレビ・大阪支社長)

4.出席者  23名

今回は、昨年9月にお話しされた「ギョウカイに入ってみたら・・・映画、テレビって」の続編です。シンクタンク、外国映画輸入配給会社を経て日本テレビに入社してから23年間、その後長崎国際テレビでの2年間に経験したテレビ業界について話されました。

テレビ放送開始直後、受像機は高価で視聴者は少なく、日本テレビ社長・正力松太郎はスポンサー獲得を期して「街頭テレビ」から普及を図った。NHK、民放では「日本テレビ」が先駆となり、その後全国の事業者にテレビ放送の地域免許が付与されていった。

全国に100局以上の地上波民放テレビ局があるが、東京5局は「キー局」となり、ネットワーク系列各局に番組を供給、放送収入を分配する。また報道機関としてネットワークを組み、全国取材をカバーする。

テレビ局の売上の大部分は放送収入で、企業はCM放送の料金を支払っている。このスポンサーとテレビ局との間で様々な調整を行うのが「広告会社」であり、テレビ局は手数料を広告会社に支払う。CM料は高額だが世界一高価な番組は、全米のアメリカンフットボール「スーパーボール」で、60秒あたり数億円。我が国でも日本中が熱狂するスポーツ放送は高額となる。

テレビ局での仕事は長時間労働の厳しい部署もあるが、著名な方々や、奇想天外な発想・行動力のある人物に会えることなどワクワク出来るのが魅力だと語られました。 他にも、民放BSの放送開始後の苦労や50・60才代に受ける番組を多くしていること、テレビ局には番組はもちろん人気のあるCMにも多くの苦情が寄せられることなど、豊富な話題を提供していただきました。

(新道 記)


講演中の石塚氏 


熱心に聴き入る出席者の皆さん

関西桜友会 平成28年4月度 二木会開催報告

平成28年4月度の二木会を次の通り開催致しましたのでご報告させて頂きます。

1.日時   平成28年4月14日(木)18時30分~ 20時40分

2.テーマ 西洋美術史探訪 「パブロ・ピカソ」

3.講師  平田雅男氏 (昭和46年政治  みやび芸術文化アカデミー主宰)

4.出席者 20名

冒頭、大塚製薬グループの創業75周年事業として、創業者である故大塚正士社主から美術館創設の命を受け、平田氏が申請書の草案作成段階から約20年間にわたり主導され、ルネッサンスの3大巨匠と言われる、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ等の西洋美術名画を擁する世界初の陶板美術館(セラミックアートミュージアム)として完成させたエピソードを語られました。
次に、西洋美術における古代/中世/ルネッサンス/
バロック/近代/現代の時代区分、そのうち現代期に活躍した代表的な画家を11画派に様式定義され、 20人ばかり実際の絵画写真と共に説明されました。
特に、今回は
キュービズム(立体派)画家のスペイン人「パブロ・ピカソ」の人物と天才ぶりを、幼少期から晩年まで、そしてその間、7人の女性と交際し、その女性ごとに変遷する画風を8区分に分析され、それぞれの作品をスライドにて解説頂きました。
また、平田氏は文化人類学、民俗学、比較宗教分野にも博識で、西洋絵画はテーマを生///死を捉え
て描く方法が、仏教の思想と相通じるところがあることを、宗教的・思想的観点からも説明されました。

(新道 記)

風水害や火災などの災害、光による色彩の退行に非常に強く、約2,000年以上にわたり原画の状態を維持できる信楽焼きによる独自の陶板技術を開発し、西洋名画1,000点を原寸で展示する日本では民間最大の美術館(年間22万人の来場者)を立ち上げられた功績は素晴らしい。NHKのプロジェクトXから取材申込があったのも頷ける。
パブロ・ピカソは仮死状態で生まれたが、没年齢91歳と長命であった。その間、7人の女性と付き合ったものの、ピカソの超自己中心的性格により、精神病や自殺等、不幸な末路を歩んだ女性が多く、名画の裏には数々の悲劇があったとの話。天才画家とは並みの人間ではないということなのか。

(木口 記)


平田氏は大塚国際美術館のカリスマ学芸室長でした。
現在は、徳島文理大学、NHK・読売文化センター等の講師を
務められています。


講演後の懇親会では会話が弾みます。

関西桜友会 平成28年3月度 二木会開催報告

平成28年3月度 二木会の開催内容を報告させて頂きます。

開催日時  平成28年3月10日(木) 18時30分~20時40分

テーマ   「NHK大相撲ジャーナルの取材・制作」

講師       北出 幸一氏 (昭和55年国文 元NHK宇都宮総局長)

 

 北出氏はNHK大阪放送局の広報部長の時に、朝の連続テレビ小説「てっぱん」と
「カーネーション」の
広報活動を手掛けられました。
その後、宇都宮総局長を務められ、現在は「NHK大相撲ジャーナル」の編集長を
されています。
特に、今年の初場所で10年ぶりに日本出身力士として優勝した琴奨菊の取り口、結婚
披露パーティーの取材や写真撮影でのエピソードをお話し
頂きました。
土俵から控え 部屋に戻るときに他のスポーツ新聞社等の報道スタッフと協力して
試合
内容を取材し、写真を撮り月刊誌に編集する多忙なお仕事です。
親方、理事、
力士及びタニマチ筋 と交流を持ち記事の充実を図っておられます。
特に親密になった親方や力士、これから 期待される力士など10人以上のエピソードを
ご紹介頂きました。

(新道 記)

 

講演中の北出氏。本日から月末まで大阪に滞在し大相撲春場所を取材されます。

 

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北出氏が編集長をされている大相撲ジャーナル。