第92回技術交流会のご報告

■ 開催日時:2017 年11 月 11日(土)13:30~16:00
■ 開催場所:中央教育研究棟 12 階「国際会議場」

■ 講 演:
講演1:「光を使ってナノを見る技術」  
13:30~14:40           (質疑応答 10 分を含む)
講 師: 学習院大学 理学部 化学科 教授:齊藤結花 先生
講演要旨(予稿より):顕微鏡に可視光を入れて観察しようとしても、無限に小さいものが見えるわけではありません。これは可視光の波長が 400-700 ナノメートル付近にあり、波長よりも小さいものを分解する能力がないからです。ところが近年注目を集めている多くの機能性材料やデバイスの評価を行うためには、数ナノメートルという空間分解能が必要です。近接場光学の技術を用いると可視光を用いながら波長よりも小いものを観察することができます。近接場光学顕微鏡は分子分光測定と組み合わせて、新しい高分解能顕微鏡として近年急速に発展しつつあります。ここでは近接場光学顕微鏡の特長と、今後の展開について紹介します。
講師略歴:2001 東京大学理学系大学院修了  博士(理学)
 2001-2003 University of Leeds, UK, Research fellow
 2003-2006 理化学研究所基礎科学特別研究員
 2006-2016 大阪大学大学院工学研究科   講師-准教授
 2016 年-    学習院大学理学部教授

        

講演2:「ホタルの再生活動から見えて来たこと」 14:50~16:00  (質疑応答10 分を含む)
講 師:    中野 勝 氏
(1979 年大学院物理学専攻修士課程修了)      
講演要旨
(予稿より)ホタルの飼育・再生活動を 22 年継続して、解ってきた事を話します。
1. ホタルの生態
ゲンジボタルの生態及び地域固有種の研究成果から関東の固有種の現状について
2.生態系のこと
日本の生態系が昭和 30 代の後半あたりから大きく変化した模様である。いままで農村地域であったところにさえ、かっての生態系は存在しないと思われる。
3.これからのこと
ホタルの再生活動の進展と淡水産生物資源の発掘。及びかって日本の輸出産業であった養蚕業の復活を昆虫の持つ生物資源開発の立場から応援してみたい。
講師略歴:1968 年学習院大理学部物理学科卒業
 1970 年同修士課程中退後、創価学園数学科教諭 7 年間勤務後
 1977 年同修士課程復学、1979 年同修了
  その後 ㈱三国製作所を経て、東洋インキ製造㈱に勤務、合成樹脂の機能性付与技術の開発を
 定年まで従事する。特に電磁波シールド樹脂材料製造の開発に力を注ぐ。
 50 歳を期に、ホタルの再生活動を開始し、現在に至る。
 現在は、ホタルネット事務局担当、東京シルク文化園協議会事務局担当。
関連講演:本講演の一部として、下記2件の関連講演をいただいた。
 ①「血洗いの池ホタル再生計画のこと」
    角野久寿男氏(昭37政 桜友会参与 血洗いの池ホタル再生計画代表)
 ②「生物資源の特に蚕に関すること」
    中山れい子氏(日本野蚕学会理事 図鑑作家 学習院大文学部教育学科授業嘱託)

    

■ 懇親会:16:15~18:15
  所:シェフズベーカリー(CHEF’S BAKERY) トラッド目白(旧コマース跡)1階