第66回技術交流会のご報告

■ 開催日時:2012310日(土)14451715

 開催場所:南7号館101教室

■ 講 

講演1:「極高真空計の開発」– 14:45~15:55(質疑応答10分を含む)

講師:理学部物理学科  荒川一郎 教授

講演要旨(予稿より):圧力10-11Pa(一京分の一気圧)台の測定を可能とした真空計の開発の経緯を紹介する。1950年のBayard-Alpert型真空計の発明がもたらした10-8 Pa台の超高真空技術は、現在の電子情報社会を実現する基盤技術として半世紀に渡り活躍してきた。よりファインな技術発展の環境を整えるべく、さらに3-4桁低い極高真空の実現を目指す動きが1990年代に我が国で始まった。荒川が関わった計測技術の開発では学習院の卒業生がその原動力となり、2000年にはA-T型真空計(商品名:AxTRAN,(株)アルバック)として製品化され、研究・改良を重ねながら現在に至っている。

講師紹介:1952年9月 東京都大田区馬込生まれ。 1976年3月 東京大学工学部物理工学科卒業。 1976年4月 日本真空技術㈱入社。1979年4月東京大学生産技術研究所 助手。 1984年4月 学習院大学理学部物理学科 講師1986年4月 同 助教授。 1994年4月 同 教授。 現在に至る。

                

講演2:「免疫細胞とがん治療」– 16:05~17:15(質疑応答10分を含む)

講師:㈱日本バイオセラピー研究所 贄田美江(にえだみえ) 主任研究員( 豪クィーンズランド大学 客員研究員 )

講演要旨(予稿より):現在の3大がん治療として、外科治療(手術)、放射線治療、抗がん剤治療が行われおり、末期のがん患者では、これらの治療法を組み合わせた、集合的治療が行われている。この3大治療に加え、第4の選択肢として、免疫細胞療法が行われている。免疫細胞療法は投与する細胞の種類により、樹状細胞療法、T細胞療法、NK細胞療法に分けられる。ヒトの免疫系は樹状細胞を中心に様々な免疫細胞を活性化して免疫系ネットワークを形成して、がん細胞を攻撃し排除する仕組みをもっている。がん患者ではこれが上手く働かないことによりがん細胞が増殖してくると考えられので、この免疫系を回復しようという試みが免疫細胞療法である。樹状細胞を中心として免疫細胞群ネットワークの仕組みと、贄田が携わった免疫細胞療法の臨床例を紹介する。

講師紹介:1942年3月生まれ。 1960年3月 学習院女子高等科卒。 1964年3月 学習院大学理学部化学科卒。 1977~1991年 東京大学医学部、研究員。 1991年 学位取得、医学博士。1992~1995年 東京大学医学部、助手。 University of Bristol (英国) 医学部、客員研究員。 1995~2001年日本赤十字社、中央血液センター研究部、樹状細胞研究プロジェクトリーダー。 2001~2009年 (株)メデイネット先端医科学研究所、主席研究員。横浜市大医学部、客員准教授。2009年~ 現職。

                

会:17301930

場所:ホテルメッツ目白内 フィオレンティーナ