第100回技術交流会のご報告

下記により第100回技術交流会を開催いたしました。

■ 開催日時:2019年11月30日(土)13:3016:00
■ 開催場所:学習院大学 中央教育研究棟12階 国際会議場
■ 講 演:
講演1:『カイコの食性から考える昆虫と植物の共進化』 13:30~14:40 (質疑応答 10 分を含む)
講 師:  学習院大学理学部生命科学科教授: 嶋田 透 先生
講演要旨:昆虫の多くは植物を餌としています。しかし、アゲハの幼虫はミカン科植物しか食べず、カイコはクワしか食べません。このような極端な偏食(狭食性)は、長い時間をかけた植物と昆虫の戦いの結果として進化しました。植物は昆虫から身を守るために毒素を作り出します。しかし、昆虫のなかには、その毒素への抵抗性を獲得するものが現れ、防御が破られることがあります。クワは糖類似アルカロイドという毒素を持っていますが、カイコなどのごく少数の昆虫は糖類似アルカロイドへの抵抗性を持ち、クワを食べて成長することができます。なぜ、カイコだけがクワの毒性を免れることができるのか、遺伝学と生化学の手法で明らかにする研究を紹介します。
講師略歴:
1982年東京大学農学部農業生物学科卒業
1987年東京大学大学院農学系研究科博士課程修了(農学博士)
1988年国立予防衛生研究所研究員
1990年東京大学農学部助手、1995年同助教授
2004年東京大学大学院農学生命科学研究科教授
2019年より本学教授
      

講演2:『東北メディカル・メガバンク機構の取り組みのご紹介』 14:50~16:00  (質疑応答10 分を含む)
講 師: 東北大学東北メディカル・メガバンク機構バイオバンク生命科学分野助教:寺川 貴裕 先生
講演要旨:東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は2012年から、未来型医療を築いて東日本大震災被災地の復興に取り組むために、岩手医科大学と共同で、「東北メディカル・メガバンク計画」を進めています。これは宮城県・岩手県の住民計15万人を対象とするコホート研究を通じ、「個別化医療」と「個別化予防」の発展を目指す計画です。柱となる取り組みの1つが、研究に供するために血液や尿などの生体試料を大規模に収集し保管するバイオバンクと、医療情報とゲノム情報等の解析情報を組み合わせたデータを合わせ持つ「複合バイオバンク」の構築です。本日はToMMoの事業について説明させていただき、合わせて今後期待されている新しい医療についても紹介します。
講師略歴:
1996年 学習院大学理学部化学科卒業(後藤研)
1998年 東北大学大学院農学研究科博士前期課程(生理活性化学講座)修了
1998年 株式会社株式会社医薬分子設計研究所
2001年 国立国際医療センター研究所呼吸器疾患研究部研究員及び流動研究員
2004年 東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻博士課程(分析化学講座)修了
 その後ヒューマンサイエンス振興財団博士研究員、株式会社エフェクター細胞研究所
2014年東北大学東北メディカル・メガバンク機構バイオバンク生命科学分野助教
      

■ 懇親会:16:15~18:15
  場 所:目白ジョアン トラッド目白(旧コマース跡)1階
    

                                 以  上