平成28年4月度の二木会を次の通り開催致しましたのでご報告させて頂きます。
1.日時 平成28年4月14日(木)18時30分~ 20時40分
2.テーマ 西洋美術史探訪 「パブロ・ピカソ」
3.講師 平田雅男氏 (昭和46年政治 みやび芸術文化アカデミー主宰)
4.出席者 20名
冒頭、大塚製薬グループの創業75周年事業として、創業者である故大塚正士社主から美術館創設の命を受け、平田氏が申請書の草案作成段階から約20年間にわたり主導され、ルネッサンスの3大巨匠と言われる、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ等の西洋美術名画を擁する世界初の陶板美術館(セラミックアートミュージアム)として完成させたエピソードを語られました。
次に、西洋美術における古代/中世/ルネッサンス/バロック/近代/現代の時代区分、そのうち現代期に活躍した代表的な画家を11画派に様式定義され、 20人ばかり実際の絵画写真と共に説明されました。
特に、今回はキュービズム(立体派)画家のスペイン人「パブロ・ピカソ」の人物と天才ぶりを、幼少期から晩年まで、そしてその間、7人の女性と交際し、その女性ごとに変遷する画風を8区分に分析され、それぞれの作品をスライドにて解説頂きました。
また、平田氏は文化人類学、民俗学、比較宗教分野にも博識で、西洋絵画はテーマを生/老/病/死を捉えて描く方法が、仏教の思想と相通じるところがあることを、宗教的・思想的観点からも説明されました。
(新道 記)
風水害や火災などの災害、光による色彩の退行に非常に強く、約2,000年以上にわたり原画の状態を維持できる信楽焼きによる独自の陶板技術を開発し、西洋名画1,000点を原寸で展示する日本では民間最大の美術館(年間22万人の来場者)を立ち上げられた功績は素晴らしい。NHKのプロジェクトXから取材申込があったのも頷ける。
パブロ・ピカソは仮死状態で生まれたが、没年齢91歳と長命であった。その間、7人の女性と付き合ったものの、ピカソの超自己中心的性格により、精神病や自殺等、不幸な末路を歩んだ女性が多く、名画の裏には数々の悲劇があったとの話。天才画家とは並みの人間ではないということなのか。
(木口 記)
平田氏は大塚国際美術館のカリスマ学芸室長でした。
現在は、徳島文理大学、NHK・読売文化センター等の講師を
務められています。
講演後の懇親会では会話が弾みます。