関西桜友会 平成28年7月度 二木会開催報告

平成28年7月度の二木会を次の通り開催しましたのでご報告致します。

1.日時        平成28年7月14日(木) 18時30分~20時40分

2.テーマ  「地域住民の健康度向上と市町村の医療費抑制を目指して」
(副題 : 医療費と介護費を少なくする健康法)

3.講師    村上路一氏 (昭和41年物理学科卒
関西学院大学 経営戦略研究科講師、元住友電気工業・経営企画部長)

4.出席者 21名

 

 講話の要旨

 地域で血管年齢、BMIなどを計測する機器を用いて、市町村の医療費・介護費などを抑制するため健康キャラバンを実施する地方創生事業の内容を解説頂きました。

 主に、コンピュター測定機器を駆使して、厚労省関係の健康増進・医療課及び保健センター、医師会・薬剤師会、文科省関係のスポーツクラブ及び教育委員会、農水省系のJAなどと協業して健康リテラシーを公民館や自治会館などで展開している。

 特に、特定健康診査(通称:メタボ健診)、予防・検診・健康台帳を重視する農村医療、特定保健指導、がん検診、糖尿病・認知症検査、成人病の重症化と予備世代の予防、生活習慣病の未病寿命伸長、その他の健康指導(痩せ、筋肉量、運動習慣、食生活)などの拡大と向上を促進させる解決策を提供する事業を推進。

 健康キャラバンは、地方自治体の健康増進課や保険センターの要請を受け、例えば医師会や薬剤師会と一緒に、地域の保健センター、生協、包括支援センター、商業施設、総合スポーツクラブにおいて、体組成計・貧血計・血管年齢計などを測定し、その結果を協力または派遣する保健士や栄養士により個別に食生活・運動習慣を指導してもらう仕組みの事業体です。

 とりわけ、炭水化物(糖質+食物繊維)、アルブミンを含むタンパク質の摂取やインターバル速歩、大股・早歩きなど有効な健康アドバイスを頂きました。増大化する医療費や介護費を健康キャラバンで抑制し、その財源でさらなる健診受診率アップを図ることにより効果的な抑制率を実現できる投資です。また、このシステムを実践すれば産業、自治体、コミュニティーの「人づくり」、「仕事づくり」にも貢献できる地域エコシステムを創生するものです。

(新道 記)

 

 我が国の国民医療費は年間40兆円(人口一人当たりで30万円強)を超え、毎年3%の率で増加し、また、国民介護費は10兆円を超え、毎年7%の率で増加している。痩せの人で要介護度が高くなる傾向にあり、介護費抑制のためには痩せ対策が必要となる。 

 講師の調査によれば、奈良県内の大学生の筋肉が落ちており、その要因は、スマホにお金がかかるために昼食をとらない学生が多いとの事実には驚いた。

 また、痩せた女性が増加し、その結果、赤ちゃんの低体重児が増加傾向にあり、母親の健康状態が次世代にまで影響するとのことであった。(先進国の中で日本が最も低体重児の生まれる確率が高く、成人病胎児発症説に繋がる。)

痩せの人は筋肉がないため要介護度が高く、介護費用も上昇傾向にある。
・痩せは筋肉量が少ないため体温が低く免疫力が少ないため平均寿命が短い。
・痩せの人は筋肉がないため転倒しやすく、骨密度が低いため骨折し、寝たきりになる確率が高い。

 従って、年をとっても運動により筋肉をつけることが大事であるが、その方法として間違った健康習慣を続けている人が多いので、健康アドバイスが必要となる。

(勘違い・間違い・誤解の例)
・毎日1万歩以上歩く、あるいは犬と1時間以上散歩しているから大丈夫。
・内蔵脂肪が多いため油物を避けているが、牛乳やヨーグルトは多量に摂る。
・痩せているのに、健康に悪いと野菜を主体にして肉や蛋白質を取らない。

普通速度の散歩1時間や犬との散歩は、最高・最低血圧、悪玉コレステロール、体重・体脂肪を下げる効果はあるが、持久力、脚筋力アップの効果は少ない。

持久力や脚筋力を向上させるには「インターバル速歩」を行うと効果がある。

(第1段階)
普通歩き3分、次に大股早歩きを3分、これを5回以上繰り返し30分~1時間歩く。

(第2段階)
大股で早歩きを3分してもハアハアしなくなったら普通歩きの時間を減らし大股早歩きの時間を伸ばす。

(第3段階)
大股早歩きの時間を20~30分間続ける。

 大股(太ももに筋肉がつく)、早歩き(心肺機能強化)を20~30分間続けると3~4千歩に相当し、その他、日常活動での歩きを加算すると1日1万歩程度になる。

運動によりグリコーゲンを消費し痛んだ筋肉組織を補強・増強するため、30分以内に牛乳を飲むこと。

(内蔵脂肪が適正以下の方)
ウォーキングの後、30分以内に牛乳を飲み蛋白質を補給する。

(内蔵脂肪が境界以上の12までの方))
ウォーキングの後、30分以内に低脂肪牛乳か豆乳を飲む。

(内蔵脂肪が13以上か肥満の方)
牛乳や豆乳ではなく水を飲む。
 

 また、内臓脂肪を減らすにはゴルフのスイングのような回転運動を連続して行うとか、毎日100~200回の足上げを行うと、足に筋肉がつきひざの痛みが和らぐとのアドバイスを頂いた。

先ずは、出来る内容から始めてみられては如何でしょうか。

  (木口 記)

 


熱心に聴き入る会員の皆さん


藤森大先輩が「90才で現役ドクターの健康法」をご紹介。
1.規則正しい生活が大事。(毎朝決まった時間に起き、8時から診察開始。)
2.三度の食事をきちっととり、美味しいと思う。
3.美しいものを見たら、美しいと感動する。
普段の生活を正せば医療費に対する税負担も削減できる、とのお話でした。


北河原会長から村上氏(写真右側)へ記念品の贈呈
お二人は高等科のクラスメイト

 

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