千葉県は関東地方の南東部に位置する県で、房総三国、すなわち律令制以来の上総国・安房国・下総国から成り立つ。ただし、下総国のうち、猿島郡・結城郡・豊田郡・岡田郡の4郡と相馬郡・葛飾郡2郡中の一部は、茨城県に、葛飾郡のさらにまた一部は東京都と埼玉県に編入されている。1873年(明治6年)6月15日に、北西部の印旛県と南部の木更津県が合併し、千葉県が成立した。その後、1875年(明治8年)5月7日に新治県の利根川以南の領域を編入、同時に旧印旛県の利根川以北の領域を茨城県に、江戸川以西の区域を埼玉県に移管して現在の県域がほぼ完成した(後述の通り、最終的に現在の県域がほぼ確定するのは1899年(明治32年)である)。
三方を海に囲まれ、県土の大部分が房総半島に含まれる。起伏の少ない県であり、関東平野の一部である北部は、海岸(東京湾・太平洋)や河川(利根川・江戸川など)沿いの低地と下総台地とからなる。南部側は丘陵地帯だが、標高329mの鋸山や鹿野山など、観光地化されているところも多い。最高峰は標高408mの愛宕山であり、全都道府県のうち最高峰(点)が最も低い。
平地の割合が大きく、可住地面積が広いことや、東京都に隣接しており首都圏の一角をなすことなどから、古くから住宅開発が進んでいる。人口は県北西部で特に稠密である一方、東部や中南部では多くの地域で人口の減少が進んでおり、一部の市町は過疎地域に指定されている。浦安市から富津市までの東京湾沿岸には広大な埋立地が広がり、京葉工業地域の中枢として市原市の石油化学コンビナートや千葉市と君津市の製鉄所などが立地している。一方、地勢を生かした農漁業も盛んに行われており、農業産出額、漁業総生産量とも全国で有数である。